2009/4/26 朝日新聞 社説 金融G7
主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)がワシントンで開かれた。
今月2日に開かれた金融サミット(G20)において国際協力の下で行うメニューがほとんど示されていたため、G7 は成果の見えない会議であった。
だとしても、G20 で検討されなかった重要な論点を、もっと率直に議論できたはずだ。危機脱却のカギとなる、米国や欧州の不良債権問題とその対応についてである。
米国はケタ違いの公的資金が必要になっても、議会や国民の激しい反発を恐れて問題を先送りにするのではないか。だが、いくら財政出動で景気を刺激しても、金融市場を立て直さないことには経済の回復に向けた条件は整わない。それは90年代の日本の苦い経験から明らかだ。
欧州でも、中東欧への巨額の貸付が不良債権となり、多くの銀行が傷んでいる。米欧の不良債権の抜本処理抜きには世界経済の回復はない。米欧にそれを迫るのが日本の仕事である。
主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)がワシントンで開かれた。
今月2日に開かれた金融サミット(G20)において国際協力の下で行うメニューがほとんど示されていたため、G7 は成果の見えない会議であった。
だとしても、G20 で検討されなかった重要な論点を、もっと率直に議論できたはずだ。危機脱却のカギとなる、米国や欧州の不良債権問題とその対応についてである。
米国はケタ違いの公的資金が必要になっても、議会や国民の激しい反発を恐れて問題を先送りにするのではないか。だが、いくら財政出動で景気を刺激しても、金融市場を立て直さないことには経済の回復に向けた条件は整わない。それは90年代の日本の苦い経験から明らかだ。
欧州でも、中東欧への巨額の貸付が不良債権となり、多くの銀行が傷んでいる。米欧の不良債権の抜本処理抜きには世界経済の回復はない。米欧にそれを迫るのが日本の仕事である。