2008/10/21 朝日新聞 社説 給油法案
インド洋での海上自衛隊の給油活動をさらに1年延ばす法案が、衆院の委員会で可決された。参院が早々と否決した後、衆院で再可決されて、月内にも成立する見通しだ。
そんなシナリオが初めからわかっているためか、日本がすべき貢献は何か、といった本質的な議論が見られなかった。総選挙へのPR合戦の印象さえ漂ったのは不満である。
与党側は小沢代表の理論の曖昧さをついたが、民主党は抽象論を述べただけで、正面から答えなかった。
一方で民主党は、与党側に対して防衛省の隠蔽体質を槍玉に挙げた。
国会では、補給の賛否を超えて、この1年の国際情勢の変化を踏まえた議論が必要なはずだ。専門家を参考人として呼ぶなどの工夫すらなかったのはどうしたことか。来年から日本は国連安保理の非常任理事国になるというのに、その役割にふさわしい国際的な視点に立った議論があまりにも乏しい。参院ではもっと実のある議論をしてほしい。
インド洋での海上自衛隊の給油活動をさらに1年延ばす法案が、衆院の委員会で可決された。参院が早々と否決した後、衆院で再可決されて、月内にも成立する見通しだ。
そんなシナリオが初めからわかっているためか、日本がすべき貢献は何か、といった本質的な議論が見られなかった。総選挙へのPR合戦の印象さえ漂ったのは不満である。
与党側は小沢代表の理論の曖昧さをついたが、民主党は抽象論を述べただけで、正面から答えなかった。
一方で民主党は、与党側に対して防衛省の隠蔽体質を槍玉に挙げた。
国会では、補給の賛否を超えて、この1年の国際情勢の変化を踏まえた議論が必要なはずだ。専門家を参考人として呼ぶなどの工夫すらなかったのはどうしたことか。来年から日本は国連安保理の非常任理事国になるというのに、その役割にふさわしい国際的な視点に立った議論があまりにも乏しい。参院ではもっと実のある議論をしてほしい。