2009/4/1 朝日新聞 社説 追加経済対策
麻生首相が政府・与党に新たな経済対策をまとめるよう指示した。
国内で多くの生産力が余り、その余剰規模は20兆円超という。与党内からは「それを財政支出で穴埋めする」といわんばかりに、10兆円超の財政支出を求める意見が強い。
しかし、需要追加策の役割は急降下する景気を下支えし、需要喚起へ向けて刺激することにある。規模の大きさを競うような方法は避けるべきだ。
そもそもバブル崩壊後に政府は総額130兆円の景気対策を打ったが、経済を立て直せず巨額の借金が残った。財政だけで成長率を高めることはできない。そういう教訓を得たはずだ。
今すべきは、いざという時の安全網となる雇用や医療、介護、年金など社会保障の充実により、「不安」を取り除く政策である。
いずれも長期的な視野にたった制度設計が必要で、麻生政権に残された任期では足りなかろう。ならば衆院を早期に解散して、民意に支えられた政権に委ねるべきである。
麻生首相が政府・与党に新たな経済対策をまとめるよう指示した。
国内で多くの生産力が余り、その余剰規模は20兆円超という。与党内からは「それを財政支出で穴埋めする」といわんばかりに、10兆円超の財政支出を求める意見が強い。
しかし、需要追加策の役割は急降下する景気を下支えし、需要喚起へ向けて刺激することにある。規模の大きさを競うような方法は避けるべきだ。
そもそもバブル崩壊後に政府は総額130兆円の景気対策を打ったが、経済を立て直せず巨額の借金が残った。財政だけで成長率を高めることはできない。そういう教訓を得たはずだ。
今すべきは、いざという時の安全網となる雇用や医療、介護、年金など社会保障の充実により、「不安」を取り除く政策である。
いずれも長期的な視野にたった制度設計が必要で、麻生政権に残された任期では足りなかろう。ならば衆院を早期に解散して、民意に支えられた政権に委ねるべきである。