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2009/3/13 朝日新聞      社説  万能細胞


 病気の治療法を大きく変えると期待される万能細胞の研究が、米国で一気に活気づきそうだ。オバマ大統領が、代表的な万能細胞であるヒト胚性肝細胞(ES細胞)の研究に、連邦政府予算を使えるようにしたからだ。
 生命科学分野で、米国には分厚い研究者層に支えられた豊かな研究の土壌がある。98年にヒトのES細胞を作ったのも米国の研究者だ。
 一方で、受精卵がいらず、普通の細胞から作れる新型の万能細胞(iPS細胞)は、日本が先陣を切った成果だ。ところが、そのiPS細胞についても楽観できる状況ではない。基礎的な研究はむしろ米国で続々と出ているのだ。
 iPS細胞はまだわかっていないことも多い。ES細胞の研究も含めて基礎的な研究が必要な段階だ。日本が遅れをとらぬよう、ヒトのES細胞を使う際の規制の見直しや、実用化に向けた臨床研究の仕組の整理など、研究の態勢作りを急がなければならない。