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2009/3/16 朝日新聞    社説  温暖化と科学技術


 今世紀半ば、地球を暖める二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を世界全体で半分に減らす。これが、いま主要8カ国(G8)が世界の合意点にしようとしている筋書きである。
 この目標達成には、省エネルギーの水準を高めるだけでは間に合わず、新しいエネルギー源が欠かせない。そこで有望視されているのが、太陽電池だ。
 いま広く使われている太陽電池は硬いパネルに加工していため、屋根に置いたり、空き地に並べたりする。だが、「第2世代」型の中には、曲げても大丈夫なプラスチックに半導体の微粒子をくっつけるタイプがある。工夫すれば、日傘でも衣服でも「小さな発電所」に変えられる。こうしてエネルギー自給率を少しずつ高めていくことができよう。
 これは集中型のエネルギー社会に風穴を開けるに違いない。日本が率先して太陽光による分散型エネルギー社会を作れば、産油国などにエネルギー供給の根っこを握られている世界経済をも変えることができる。
 確かに、太陽光発電には、広い面積をとるため量を稼げないという欠点がある。この点では、原子力が当面の脱温暖化の助けになるだろう。だが長い目で見れば、太陽光にも大規模発電という選択肢はある。太陽電池を並べる発電施設を海に浮かべたり、国際協力で砂漠に造ったりすることはできるはずだ。
 太陽電池の開発には、未来型の技術を切り開く効果もある。今市販されている太陽電池の主流は、太陽光のエネルギーの15%程を電気に変えているにすぎない。「第3世代」型は、この効率を50%以上に高めるのも夢ではないという。
 このように太陽光は、ただ脱温暖化の切り札になるだけでなく、自立型の地域社会を育て、先端技術の開発に拍車をかけ、世界経済の不安定要因も小さくする。太陽光発電が果たす役割の大きさを考えれば、今こそ長期戦略の柱に「太陽」を加えるときである。