2009/5/24 朝日新聞 社説 盧前大統領の死
韓国の大統領だった盧武絃氏が亡くなった。家族あての短い遺書を盧前大統領は残しており、自殺とみられている。
盧氏は在任中の収賄の容疑者として検察の聴取を受けた。後援者が盧氏の妻や親族に640万ドルの資金を渡したが、大統領への賄賂として問うべきではないか、との判断からだ。
韓国ではこれまで、大統領周辺の賄賂が相次いでいた。カネと政治の癒着を改めてほしい。盧政権は、国民のその熱い期待にこたえるべく登場したはずだった。だが、「歴史の清算」を目指したのにできず、司法の裁きに耐えかねたのだろうか。
韓国では早速、捜査が強引だったという批判が噴出している。だが経済危機もあって苦しい状況の中、政治も対立を深めるべきではない。
ここ20年、韓国は民主主義を深め、経済の発展という輝かしい成果を上げてきた。こうした実績を踏まえ、政治の安定に歩を進めてほしい。それが、盧氏の死を無駄にしない道ではないか。
韓国の大統領だった盧武絃氏が亡くなった。家族あての短い遺書を盧前大統領は残しており、自殺とみられている。
盧氏は在任中の収賄の容疑者として検察の聴取を受けた。後援者が盧氏の妻や親族に640万ドルの資金を渡したが、大統領への賄賂として問うべきではないか、との判断からだ。
韓国ではこれまで、大統領周辺の賄賂が相次いでいた。カネと政治の癒着を改めてほしい。盧政権は、国民のその熱い期待にこたえるべく登場したはずだった。だが、「歴史の清算」を目指したのにできず、司法の裁きに耐えかねたのだろうか。
韓国では早速、捜査が強引だったという批判が噴出している。だが経済危機もあって苦しい状況の中、政治も対立を深めるべきではない。
ここ20年、韓国は民主主義を深め、経済の発展という輝かしい成果を上げてきた。こうした実績を踏まえ、政治の安定に歩を進めてほしい。それが、盧氏の死を無駄にしない道ではないか。