今日の朝日新聞社説-要約-

朝日新聞社説の要約です。忙しいあなたなら3分で読める今日の社説。受験生のあなたには要約のススメ。

水俣病

水俣病特措法

ブログネタ
政治の動き に参加中!
2009/7/9 朝日新聞     社説  水俣病特措法


 水俣病の未認定患者の救済を目指す特別措置法が成立した。95年に続く「第2の政治決着」である。
 高齢化した多くの被害者の早期救済という観点からは、政治の努力を多としたい。だがなお失望を禁じ得ないのは、さらに取り残される人々が存在するからだ。
 民主党が求めていた大脳皮障害による知的障害などは除外された。母胎内で水銀を浴びた胎児性水俣病に特有とされる症状である。さらに、チッソが有害な排水を止めた後の69年以降に生まれた人は特措法の枠外にいる。ところがその世代に、手足のしびれなど水俣病の症状がある人がいることが最近分かった。
 もし裁判で彼らの被害が認められれば、95年の政治決着を最高裁判決が覆したのと同様の事態が繰り返される可能性がある。
 戦後最大の公害事件を決着させる仕事は終わっていない。政府はまず、汚染地域全体の被害調査をし、そして認定基準を見直すことを今一度、検討すべきではないか。

水俣病法案

ブログネタ
政治の動き に参加中!
2009/7/1 朝日新聞   社説  水俣病法案


 水俣病の未認定患者を救済する特別措置法案をめぐる与党と民主党との修正協議が最終局面を迎えている。だが、このままでは、真の恒久救済には遠いと言わざるを得ない。
 そもそも、水俣病の救済がこじれているのは、汚染された不知火海一帯の被害調査が一切なされなかったことが大きな原因だ。被害地域の実態把握をすることなく、この問題に終止符を打つことは許されない。
 どうにも解せないのが、特措法案の中で、与党も民主党も、政府と司法に2つある認定基準の問題に踏み込まなかったことだ。旧環境庁が作った基準に対し、最高裁は04年にこの基準を事実上、否定した。だが、救済の枠組み全体が崩れるのを恐れてか、いまだに環境省は基準を変えようとしない。
 これは「水俣病とは何か」という問題だ。救済法案を論じる前に二重基準問題を解消することこそ、政治が決断すべきではなかったか。早期救済を目指すのは当然だが、安易な歩み寄りは禁物である。

水俣病法案

ブログネタ
政治の動き に参加中!
2009/4/14 朝日新聞    社説  水俣病法案


 水俣病の未認定を救済する特別措置法案を与党が国会に提出し、民主党との協議が始まった。だが、与党案は見過ごせない多くの問題点を抱えている。
 重大なのは、3年をめどに支給対象者を確定し、その後、公害の地域指定を解除しようとする点だ。また、水俣病の原因企業であるチッソの分社化を認めることも見過ごせない。実質的には原因企業の消滅案といっても過言ではない。
 民主党も独自の救済法案を作った。与党案とは、とりわけ救済対象者について大きな差がある。「四肢末梢優位の感覚障害」に限定している与党案に対し、民主案は全身性や舌の感覚障害など、幅広い症状を対象とする。また、地域指定解除も分社化も盛り込まれていない。
 潜在的な被害者を含めた恒久的救済のために必要なのは、与党案のように足切りをすることではなく、与野党がとことん議論することだ。真の被害者救済に政治がどこまで取り組む気があるのか、その本気度を問いたい。

水俣病救済

ブログネタ
健康なくらし に参加中!
2008/12/8 朝日新聞     社説  水俣病救済


 水俣病が公式に確認されてから半世紀が立つというのに、水俣病の患者であるかどうか、行政の結論を待ち続ける人が約6200人に達し、過去最多である。
 申請の審査を担う鹿児島、熊本、新潟3県の認定審査会が開店休業状態となっているからであり、その原因は行政と司法の二十基準にある。04年に最高裁が環境省の認定基準を否定し、被害者を広く救済する基準を打ち出した。だが環境省は今でも77年に作った基準を維持し、二十基準の状態が続く。
 この混乱を収めるため、水俣病問題の与党プロジェクトチームが新救済策をまとめた。だが、保障すべきチッソは「すでに解決済みだ」として受諾していない。
 新潟県は独自の救済策を打ち出し、高く評価できる。熊本、鹿児島両県は与党の新救済策が不可欠との姿勢だ。
 問題を複雑にこじれさせた主因である「二十基準」を放っておいては、手詰まりのままだ。認定基準の見直しが必要である。


Recent Comments
RSS
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ