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2008/11/3 朝日新聞      社説  温暖化と森林


 世界の森林は陸地の3割を占め、その緑は生物の宝庫であるだけでなく、二酸化炭素を吸収して地球温暖化を防ぐ役割を果たす。この恵み多い森林の破壊が加速度的に進んでいる。
 その大きな原因の一つは、熱帯林が集中する地域は途上国が大部分で、その途上国は資金が不足しているため、新たな森林経営をしようにもそれを実行に移すことができないことだ。
 もう一つの大きな原因が、違法伐採だ。多くの生産国では伐採や輸出の許可制度によって伐採の総量を規制しているが、そうした規制をくぐって行われる伐採や取引のことである。
 だが国際社会は、森林減少に目をつぶっていたわけではない。92年の国連環境開発会議では、森林を持続的に利用するための「森林原則声明」が採択された。条約と違って法的拘束力はないが、森林に関する初めての世界的な合意だ。これに基づいて森林を守る方策が積み重ねられてきた。
 また京都議定書には、先進国が途上国の森林を植林で増やせば先進国の二酸化炭素削減量の算入できる仕組みがある。しかし、森林が減らないようにする対策を支援しても、この仕組みを適用できない。それを改めて、森林減少に対する対策も排出削減量に加えられるようにしようとしているのが、「途上国における森林減少の防止(REDD)」という構想だ。
 2013年から「ポスト京都議定書」の枠組みにREDDを組み込めば、森林保全への資金援助の意欲も強まるだろう。実行に移すには、対策を排出削減量にどう換算するか、どんな制度設計をするか等、いくつかの難問を解かねばならないが、森林を保全したほうが得をするという国際的な仕組みを作り上げていくことが必要だ。
 日本に関しても、知恵と技術で途上国での森林減少に歯止めをかけることができよう。この待ったなしの仕事を日本の環境外交の太い柱にしていきたい。