2009/3/14 朝日新聞 社説 性教育判決
戦前の教育への反省をうたった教育基本法の意味を、改めてかみしめる司法判断が示された。
都議3人が都教育委員会職員らとともに東京都内の養護学校を訪れた際、性器がついた人形などの教材を見て、性教育の方法が不適切だと決め付けた。これに対し、教育の自主性を害するよう危険な行為で「不当な支配」にあたるとして、東京地裁は賠償を命じた。
極めて妥当な判断である。教育に対する政治の介入への大きな警鐘といえる。都議らだけでなく、すべての政治家が教訓にすべきだ。
傍聴していた都教委の職員らについては、判決は「不当な支配」から教師を守る義務に違反した、と指摘した。都教委からの厳重注意の後、性教育への取り組みが各地で低調になるなど、現場への影響も小さくない。
石原都政下の都教委では、現場の自主性を害するような政策が続き、行政の権限が強まった感は否めない。それだけに、管理強化で教育現場の萎縮を招いてはならない。
戦前の教育への反省をうたった教育基本法の意味を、改めてかみしめる司法判断が示された。
都議3人が都教育委員会職員らとともに東京都内の養護学校を訪れた際、性器がついた人形などの教材を見て、性教育の方法が不適切だと決め付けた。これに対し、教育の自主性を害するよう危険な行為で「不当な支配」にあたるとして、東京地裁は賠償を命じた。
極めて妥当な判断である。教育に対する政治の介入への大きな警鐘といえる。都議らだけでなく、すべての政治家が教訓にすべきだ。
傍聴していた都教委の職員らについては、判決は「不当な支配」から教師を守る義務に違反した、と指摘した。都教委からの厳重注意の後、性教育への取り組みが各地で低調になるなど、現場への影響も小さくない。
石原都政下の都教委では、現場の自主性を害するような政策が続き、行政の権限が強まった感は否めない。それだけに、管理強化で教育現場の萎縮を招いてはならない。