2009/6/17 朝日新聞 社説 平成の大合併
首相の詰問機関の地方制度調査会が昨日、来年3月末でひとまず幕を下ろすべきだと麻生首相に答申し、「平成の大合併」と呼ばれた市町村の合併推進運動が一区切りを迎えることになった
調査会の答申は合併の効果を認めつつも、自治体が借金返済を抱えてしまったことや、近場で面倒見がよかった役場が、遠くてよそよそしい市役所に代わってしまったという弊害を明らかにした。この4月の「ミニ統一地方選」で、現職市長が落選した17市がいずれも合併市だったのは、そうした住民の不満の表れだろう。
こんな現実を考えれば、ここで立ち止まって冷静に検証してみようというのは妥当な判断だ。
そんな中、間近に迫った総選挙で主要政党は「自治体再編」を主張の柱に据える。だが、派手な改革を競うあまり、より極端な合併を想定するとすれば本末転倒だ。住民が主役になれる自治体の姿をどう具体化するか。合併に伴う現実を踏まえた政策論議をしてもらいたい。
首相の詰問機関の地方制度調査会が昨日、来年3月末でひとまず幕を下ろすべきだと麻生首相に答申し、「平成の大合併」と呼ばれた市町村の合併推進運動が一区切りを迎えることになった
調査会の答申は合併の効果を認めつつも、自治体が借金返済を抱えてしまったことや、近場で面倒見がよかった役場が、遠くてよそよそしい市役所に代わってしまったという弊害を明らかにした。この4月の「ミニ統一地方選」で、現職市長が落選した17市がいずれも合併市だったのは、そうした住民の不満の表れだろう。
こんな現実を考えれば、ここで立ち止まって冷静に検証してみようというのは妥当な判断だ。
そんな中、間近に迫った総選挙で主要政党は「自治体再編」を主張の柱に据える。だが、派手な改革を競うあまり、より極端な合併を想定するとすれば本末転倒だ。住民が主役になれる自治体の姿をどう具体化するか。合併に伴う現実を踏まえた政策論議をしてもらいたい。