2008/9/27 朝日新聞 社説 小泉氏引退
小泉元首相が引退を表明した。
小泉氏は「自民党をぶっ壊す」といった分かり易い言葉と捨て身の迫力により首相の座にのし上がった。政権を手中に収めた後には「小泉改革」への反対者を抵抗勢力に見立てて、国民に直接訴えた。歴代首相にはない規格はずれの政治家、それが小泉氏だった。
しかし「小泉改革」は多くの劇薬を含んでおり、小泉政権から2年、「小泉改革」の残した痛みを止めるべく小泉政権後の安倍、福田、麻生政権は過去の自民党に回帰した観もある。
そんな小泉氏が引退を表明し、多くの有権者は驚き、関心をよせた。小泉政権が世にもたらした興奮がいまだに鮮明だからだろう。
小泉氏は以前に中曽根、宮沢の両元首相に引退を飲ませた経験がある。そのことへのけじめがあったかも知れないし、仕事を終えたときが辞め時だというのもいかにも小泉流の「美学」を思わせる。
だが後継者に自身の次男を指名しており、その選択はいただけない。
小泉元首相が引退を表明した。
小泉氏は「自民党をぶっ壊す」といった分かり易い言葉と捨て身の迫力により首相の座にのし上がった。政権を手中に収めた後には「小泉改革」への反対者を抵抗勢力に見立てて、国民に直接訴えた。歴代首相にはない規格はずれの政治家、それが小泉氏だった。
しかし「小泉改革」は多くの劇薬を含んでおり、小泉政権から2年、「小泉改革」の残した痛みを止めるべく小泉政権後の安倍、福田、麻生政権は過去の自民党に回帰した観もある。
そんな小泉氏が引退を表明し、多くの有権者は驚き、関心をよせた。小泉政権が世にもたらした興奮がいまだに鮮明だからだろう。
小泉氏は以前に中曽根、宮沢の両元首相に引退を飲ませた経験がある。そのことへのけじめがあったかも知れないし、仕事を終えたときが辞め時だというのもいかにも小泉流の「美学」を思わせる。
だが後継者に自身の次男を指名しており、その選択はいただけない。