2009/7/10 朝日新聞 社説 知事と分権
近づく総選挙に向けて知事たちの動きが活発だ。
大阪府の橋本知事は主な政党の幹部と会い、道州制の実現や国政に自治体の意向を反映させる仕組みを作るよう訴えた。一方、宮崎の東国原知事は自民党からの立候補要請に対し、知事会が求める分権策をマニフェストに入れること、自らを次期党総裁候補にすることを条件に突きつけた。
メディアへの露出の高い知事たちが、知名度を利用して地方分権の実現を迫る。その手法はともかく、目的として掲げる政策に共感する人は多かろう。
だが、各党がマニフェストに分権策を書き込んだとしても、それで分権改革が進むほど話は簡単ではない。役所の意を受けた族議員がつぶしにかかるだろうし、自治体側にも中央頼みが抜けない面もある。
こんな構図を打ち破るには、知事や市町村長が日々の仕事の中で、分権の担い手たる気概と迫力を示すことが重要だ。今の流れを、総選挙前のうたかたの騒動に終わらせてはならない。
近づく総選挙に向けて知事たちの動きが活発だ。
大阪府の橋本知事は主な政党の幹部と会い、道州制の実現や国政に自治体の意向を反映させる仕組みを作るよう訴えた。一方、宮崎の東国原知事は自民党からの立候補要請に対し、知事会が求める分権策をマニフェストに入れること、自らを次期党総裁候補にすることを条件に突きつけた。
メディアへの露出の高い知事たちが、知名度を利用して地方分権の実現を迫る。その手法はともかく、目的として掲げる政策に共感する人は多かろう。
だが、各党がマニフェストに分権策を書き込んだとしても、それで分権改革が進むほど話は簡単ではない。役所の意を受けた族議員がつぶしにかかるだろうし、自治体側にも中央頼みが抜けない面もある。
こんな構図を打ち破るには、知事や市町村長が日々の仕事の中で、分権の担い手たる気概と迫力を示すことが重要だ。今の流れを、総選挙前のうたかたの騒動に終わらせてはならない。