2009/7/12 朝日新聞 社説 ユドヨノ再選
インドネシアの大統領選で、現職のユドヨノ氏が再選を確実にした。
ユドヨノ氏への熱い支持は、治安と経済を安定させたことによるのだろう。インドネシアはこれまで、イスラム教徒とキリスト教徒の衝突や、天災などで国が揺らいでいた。それが05年の2度目のバリ島テロ事件以来大きなテロはない。経済成長率も07年と08年、6%を超えた。世界大不況の中、今年も4%台を見込む。
4月の総選挙で、ユドヨノ氏が率いる民主党は前回の57議席から150議席に躍進した。単独で正副大統領候補を擁立できることになり、ユドヨノ氏はスハルト時代の翼賛組織の流れをくむゴルカル党との連立を解消した。新体制は、独裁を敷いてきたスハルト時代と決別し、実務を優先した新しい時代の到来を予感させる。
広大な国の隅々に民主化の果実が届くには時間がかかろう。経済を成長軌道に乗せるには、インフラ整備など多くの課題が残る。ユドヨノ氏の堅実な手腕に期待したい。
インドネシアの大統領選で、現職のユドヨノ氏が再選を確実にした。
ユドヨノ氏への熱い支持は、治安と経済を安定させたことによるのだろう。インドネシアはこれまで、イスラム教徒とキリスト教徒の衝突や、天災などで国が揺らいでいた。それが05年の2度目のバリ島テロ事件以来大きなテロはない。経済成長率も07年と08年、6%を超えた。世界大不況の中、今年も4%台を見込む。
4月の総選挙で、ユドヨノ氏が率いる民主党は前回の57議席から150議席に躍進した。単独で正副大統領候補を擁立できることになり、ユドヨノ氏はスハルト時代の翼賛組織の流れをくむゴルカル党との連立を解消した。新体制は、独裁を敷いてきたスハルト時代と決別し、実務を優先した新しい時代の到来を予感させる。
広大な国の隅々に民主化の果実が届くには時間がかかろう。経済を成長軌道に乗せるには、インフラ整備など多くの課題が残る。ユドヨノ氏の堅実な手腕に期待したい。