2009/4/27 朝日新聞 社説 先端研究基金
先端研究に巨額の資金が投じられることになった。
日本の将来を切り開くためには、科学技術への投資が重要であることは言うまでもない。であればこそ、幾つか気になることがある。
30人の中心研究者とテーマを選んで平均90億円の研究費を支給し、3〜5年で世界をリードする成果を上げてもらうという。だがこんな短期間では、画期的な成果はそう簡単に生まれない。もっと長い目で育てていくことが大切だ。
集中投資にも疑問がある。このところ「選択と集中」の掛け声のもと、研究費が旧帝国大学に集中する傾向が強まっている。だが世界的に見て、日本は最大規模の大学の研究費と、他大学の研究費の開きがありすぎる。さらに集中が進めば、研究者の移動の妨げになり、研究にとって大切な人材の多様性が失われる恐れもある。
せっかくの資金だ。研究の裾野を広げ、多様な研究を育むととともに、将来を見据えた研究を支える基盤作りに生かしたい。
先端研究に巨額の資金が投じられることになった。
日本の将来を切り開くためには、科学技術への投資が重要であることは言うまでもない。であればこそ、幾つか気になることがある。
30人の中心研究者とテーマを選んで平均90億円の研究費を支給し、3〜5年で世界をリードする成果を上げてもらうという。だがこんな短期間では、画期的な成果はそう簡単に生まれない。もっと長い目で育てていくことが大切だ。
集中投資にも疑問がある。このところ「選択と集中」の掛け声のもと、研究費が旧帝国大学に集中する傾向が強まっている。だが世界的に見て、日本は最大規模の大学の研究費と、他大学の研究費の開きがありすぎる。さらに集中が進めば、研究者の移動の妨げになり、研究にとって大切な人材の多様性が失われる恐れもある。
せっかくの資金だ。研究の裾野を広げ、多様な研究を育むととともに、将来を見据えた研究を支える基盤作りに生かしたい。