2009/7/11 朝日新聞 社説 ラクイラG8
米欧日が合意すれば世界がついてくる時代ではない。イタリア・ラクイラでの主要国首脳会議(G8サミット)は、そんな多極化時代のG8 の限界をまざまざと示した。
経済金融問題に関する首脳宣言は、4月のロンドンG20 宣言を焼き直したような内容になった。金融規制など肝心のところは、9月のG20サミットへ持ち越した。
温暖化問題はG8と並行して開いた主要経済国フォーラムが注目されたが、新興国の反発にあい、具体的な数字を盛り込めなかった。振興・途上国のまとめ役としても期待された中国の胡錦涛国会主席の突然の帰国も響いたのだろう。
東西冷戦下の75年に仏ランブイエ城で初のサミットが開かれて34年。グローバル化と米国の地位の相対的低下が進んだ時代にふさわしい国際協調のあり方が模索されている。
日本も安閑としてはいられない。重層化した協調システムに積極的に加わり、構想力を磨いて存在感を示していかねばならない。
米欧日が合意すれば世界がついてくる時代ではない。イタリア・ラクイラでの主要国首脳会議(G8サミット)は、そんな多極化時代のG8 の限界をまざまざと示した。
経済金融問題に関する首脳宣言は、4月のロンドンG20 宣言を焼き直したような内容になった。金融規制など肝心のところは、9月のG20サミットへ持ち越した。
温暖化問題はG8と並行して開いた主要経済国フォーラムが注目されたが、新興国の反発にあい、具体的な数字を盛り込めなかった。振興・途上国のまとめ役としても期待された中国の胡錦涛国会主席の突然の帰国も響いたのだろう。
東西冷戦下の75年に仏ランブイエ城で初のサミットが開かれて34年。グローバル化と米国の地位の相対的低下が進んだ時代にふさわしい国際協調のあり方が模索されている。
日本も安閑としてはいられない。重層化した協調システムに積極的に加わり、構想力を磨いて存在感を示していかねばならない。