2009/4/28 朝日新聞 社説 ソマリア海賊
ソマリア周辺海域に出没する海賊に対し各国が艦艇を派遣しているが、状況は改善しない。
ソマリアは、米ソ冷戦が終わった後の91年、軍事政権が崩壊し、無政府状態となった。その翌年、米軍が国連平和維持軍として投入されたが、武装勢力の反撃は激しく撤収に追い込まれた。それ以来、ソマリアは世界の多くにとって、見捨てられた存在となり、現在に至る。
それでも4年前、国連や周辺諸国の仲介で「暫定連邦政府」ができた。だが、この政府が支配するのは、首都の一部でしかなく、それもアフリカ連合の平和維持部隊の支援を受けての話だ。暫定政府が頼りないのは確かだが、それを育てていくしかない。そのためにも、国際社会はまず、ソマリアの現状にもっと関心を持たねばならない。
日本の海賊新法の議論では、武器使用や国会承認のつめなども大事だが、海賊をそもそも出さなくするためのソマリア支援といった大きな構図の議論がもっと必要であろう。
ソマリア周辺海域に出没する海賊に対し各国が艦艇を派遣しているが、状況は改善しない。
ソマリアは、米ソ冷戦が終わった後の91年、軍事政権が崩壊し、無政府状態となった。その翌年、米軍が国連平和維持軍として投入されたが、武装勢力の反撃は激しく撤収に追い込まれた。それ以来、ソマリアは世界の多くにとって、見捨てられた存在となり、現在に至る。
それでも4年前、国連や周辺諸国の仲介で「暫定連邦政府」ができた。だが、この政府が支配するのは、首都の一部でしかなく、それもアフリカ連合の平和維持部隊の支援を受けての話だ。暫定政府が頼りないのは確かだが、それを育てていくしかない。そのためにも、国際社会はまず、ソマリアの現状にもっと関心を持たねばならない。
日本の海賊新法の議論では、武器使用や国会承認のつめなども大事だが、海賊をそもそも出さなくするためのソマリア支援といった大きな構図の議論がもっと必要であろう。