2009/7/8 朝日新聞 社説 ウイグル騒乱
中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで起きた大規模な騒乱で、死者は150人を超え1千人以上がけがをしたが、まだ完全に収まっていない。
背景にはイスラム教徒のウイグル族と多数派の漢族の、根深く鋭い対立がある。この地域は18世紀に当時の清朝に征服され、19世紀に「新疆」と名付けられた。その後、自治区が国防の上で重要な国境地帯にあり、鉱物資源にも恵まれていたため、漢民族が急増した。だが、中央政府は領土保全を優先するあまり、そこで暮らす人々への配慮を怠ってきた。そんな急激な移民に対し、ウイグル自治区が反発するのは自然なことだ。
中国共産党は建国前、民族自治を検討したことがあった。しかし権力を握ってからは、統一した中央集権国家が中国にはふさわしい、などを理由に自治を制限してきた。
中国には55の少数民族がいる。今こそ、その宗教、教育などについて幅広い自治に踏み出すときだ。弾圧しても決して安定は得られない。
中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで起きた大規模な騒乱で、死者は150人を超え1千人以上がけがをしたが、まだ完全に収まっていない。
背景にはイスラム教徒のウイグル族と多数派の漢族の、根深く鋭い対立がある。この地域は18世紀に当時の清朝に征服され、19世紀に「新疆」と名付けられた。その後、自治区が国防の上で重要な国境地帯にあり、鉱物資源にも恵まれていたため、漢民族が急増した。だが、中央政府は領土保全を優先するあまり、そこで暮らす人々への配慮を怠ってきた。そんな急激な移民に対し、ウイグル自治区が反発するのは自然なことだ。
中国共産党は建国前、民族自治を検討したことがあった。しかし権力を握ってからは、統一した中央集権国家が中国にはふさわしい、などを理由に自治を制限してきた。
中国には55の少数民族がいる。今こそ、その宗教、教育などについて幅広い自治に踏み出すときだ。弾圧しても決して安定は得られない。