2009/8/4 朝日新聞 社説 介護認定混乱
介護サービスを受けるのに必要な要介護認定基準が、4月に改定したばかりだというのに、多くの項目でまたも修正されることになった。
この原因は、厚労省が介護の現場や利用者の声をきかず、十分な検証や周知させる努力がないまま4月の時点で基準の見直しを進めたことに尽きる。
基準は必要に応じて修正が求められる。だが、その際に避けねばならないのは、本当に介護が必要なのに要介護度が軽く判定されるような事態を引き起こしてしまうことだ。
介護の必要度というのは本来、ケアに要する時間などに基づいて決められている。その観点の下、今回の修正後の基準なら妥当なのかどうか、引き続き検証を続けてほしい。
介護保険制度をめぐっては、限られた保険財政の中で軽度の人のケアを保険でどこまでカバーするのかなど、様々な議論がある。
実施から9年。ますます利用者が増える制度をどう安定させるか。政治が広い視野から道筋を示す時である。
介護サービスを受けるのに必要な要介護認定基準が、4月に改定したばかりだというのに、多くの項目でまたも修正されることになった。
この原因は、厚労省が介護の現場や利用者の声をきかず、十分な検証や周知させる努力がないまま4月の時点で基準の見直しを進めたことに尽きる。
基準は必要に応じて修正が求められる。だが、その際に避けねばならないのは、本当に介護が必要なのに要介護度が軽く判定されるような事態を引き起こしてしまうことだ。
介護の必要度というのは本来、ケアに要する時間などに基づいて決められている。その観点の下、今回の修正後の基準なら妥当なのかどうか、引き続き検証を続けてほしい。
介護保険制度をめぐっては、限られた保険財政の中で軽度の人のケアを保険でどこまでカバーするのかなど、様々な議論がある。
実施から9年。ますます利用者が増える制度をどう安定させるか。政治が広い視野から道筋を示す時である。