2008/12/18 朝日新聞 社説 09年春闘
雇用危機が正社員へも及び始めたなかで、09年の春闘がスタートした。すでに闘争方針を決めた連合に続いて、日本経団連も春闘の指針をまとめ、労使の立場が出そろった。
連合は「8年ぶりのベースアップ要求」を目玉にした。一方の経営側は、ベア要求は当然のごとく退ける構えだ。雇用の安定では双方とも、政府頼みである。
もちろん政府による雇用対策は大切だが、労使の取り組みも欠かせない。
連合はこの際、非正規を含む雇用全体の安定に焦点を絞り直すべきだ。仮に方針通りベア要求が実現しても、一方で非正規を中心に雇用が削られては、内需を支えられない。経営者側を「雇用最優先」の土俵に引きずり込むことが大事なのだ。
かつて企業の労務担当には、国民経済や社会全体の中で雇用を考え、人員削減は苦悩しつつ最後に回す伝統があった。単純に昔に返れとは言わない。企業は新時代にあった伝統を復活させ、雇用最優先に仕切りなおす必要があろう。
雇用危機が正社員へも及び始めたなかで、09年の春闘がスタートした。すでに闘争方針を決めた連合に続いて、日本経団連も春闘の指針をまとめ、労使の立場が出そろった。
連合は「8年ぶりのベースアップ要求」を目玉にした。一方の経営側は、ベア要求は当然のごとく退ける構えだ。雇用の安定では双方とも、政府頼みである。
もちろん政府による雇用対策は大切だが、労使の取り組みも欠かせない。
連合はこの際、非正規を含む雇用全体の安定に焦点を絞り直すべきだ。仮に方針通りベア要求が実現しても、一方で非正規を中心に雇用が削られては、内需を支えられない。経営者側を「雇用最優先」の土俵に引きずり込むことが大事なのだ。
かつて企業の労務担当には、国民経済や社会全体の中で雇用を考え、人員削減は苦悩しつつ最後に回す伝統があった。単純に昔に返れとは言わない。企業は新時代にあった伝統を復活させ、雇用最優先に仕切りなおす必要があろう。