2009/5/30 朝日新聞 社説 元親方実刑
一昨年、17歳の力士がけいこ場でのすさまじい暴力で命を落とした。この事件で名古屋地裁は、指導的立場にあるのに暴行を主導したとして、前親方に懲役6年の実刑判決を言い渡した。相撲界は判決を重く受け止めねばならない。
事件後、日本相撲協会は文部科学省の指導もあり、暴力の一掃に踏み出した。また、親方しか理事になれない閉鎖的な仕組みを変え、外部理事2人、監事1人を新たに加えた。
ところが、負の連鎖は止まらない。昨年5月、十両力士が若手の頭を調理器具で殴り、けがを負わせたことがわかった。親方が弟子を殴打したことも明らかになった。
気になるのは、部屋をつかさどる親方の認識の甘さだ。一連の不祥事も、いまだに「個人に起因する問題」ととらえる危機間の希薄な親方が少なくない。
問題の芽を積むためにも、まず親方こそが教育を受けるべきではないか。協会には、部屋任せにせず明確なビジョンを掲げ、改革を続けてもらいたい。
一昨年、17歳の力士がけいこ場でのすさまじい暴力で命を落とした。この事件で名古屋地裁は、指導的立場にあるのに暴行を主導したとして、前親方に懲役6年の実刑判決を言い渡した。相撲界は判決を重く受け止めねばならない。
事件後、日本相撲協会は文部科学省の指導もあり、暴力の一掃に踏み出した。また、親方しか理事になれない閉鎖的な仕組みを変え、外部理事2人、監事1人を新たに加えた。
ところが、負の連鎖は止まらない。昨年5月、十両力士が若手の頭を調理器具で殴り、けがを負わせたことがわかった。親方が弟子を殴打したことも明らかになった。
気になるのは、部屋をつかさどる親方の認識の甘さだ。一連の不祥事も、いまだに「個人に起因する問題」ととらえる危機間の希薄な親方が少なくない。
問題の芽を積むためにも、まず親方こそが教育を受けるべきではないか。協会には、部屋任せにせず明確なビジョンを掲げ、改革を続けてもらいたい。