今日の朝日新聞社説-要約-

朝日新聞社説の要約です。忙しいあなたなら3分で読める今日の社説。受験生のあなたには要約のススメ。

司法

エレベーター事故

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2009/7/27 朝日新聞     社説  エレベーター事故


 東京の高校生、市川大輔さんが3年前、扉が開いたまま動き出したシンドラー社製エレベーターに挟まれて亡くなった。この事故で東京地検は今月、同社と保守管理会社の社員計5人を業務上過失致死罪で在宅起訴した。ようやく法廷での原因究明が始まる。
 大輔さんの事故の2年前にも同じ不具合が起きていたが、管理会社などに適切な情報が伝えられていなかった。日常の保守点検もずさんだった。そう起訴状は指摘している。
 しかし地検の捜査は、エレベーターの設計・製造の問題にまでは踏み込めなかった。刑事責任の追及を目的とする裁判での原因の解明には限界があるからだ。
 生活空間で起きる事故でも重大と判断される場合は、所轄省庁任せにせず、専門家たちを組織して多角的に原因を調べ、早い段階で業者に必要な措置を命じる機関が必要ではないか。強力な調査権限を持ち、捜査機関とも連携する。そんな総合的な調査の仕組みが求められる。

更新料判決

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2009/7/26 朝日新聞     社説  更新料判決


 地域ごとに複雑な慣行が残る不動産取引をめぐっても、消費者の意識は確実に高まっている。その流れを反映する判決が出た。
 賃貸住宅の契約を更新するときには更新料がかかり、退去時には敷引として保証金から一定額差し引かれる。そんな契約慣行について、京都地裁は「借主に負担させる合理的な理由はなく無効だ」として、全額を借り主に返すよう家主に命じた。
 敷引特約を無効とする判決はすでに各地で続いているが、更新料について無効とした判決は初めてだ。
 家主や仲介業者の中には「契約書に借り主もハンコをついた」と反発する人もいよう。だが判決は、契約書にあるだけでは不十分で、貸主は賃料以外の負担についても具体的に説明し借り主にきちんと理解させなければならない、と指摘した。
 更新料をめぐっては、これまで借り主側が敗訴していた。今回の判決により、地裁レベルの判断が割れたことになる。上級審で早く統一した判断を示してほしい。

西松元社長有罪

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2009/7/18 朝日新聞     社説  西松元社長有罪


 西松建設が偽装献金していたとされる事件で、東京地裁は西松建設の国沢元社長に対し、禁固1年4か月、執行猶予3年の有罪判決を下した。
 小沢氏秘書の公判日程は未定であり、政治家側の刑事責任についてはその判決を待たねばならない。だが、献金した側に対する今回の判決で「政治資金の収支を透明化することで政治活動の公明と公正を確保しようとした法の規制をことさら免れた」と断罪した事実は重い。
 これまで、小沢氏は「やましいところはない」と胸を張ってきた。だが、その影響力を頼ろうとした業者から金を受け取り、その大半が偽装献金だったと法廷で認められた。改めて説明が聞きたい。
 政治とカネの根深い問題に対し、民主党は企業・団体献金の全面禁止を打ち出している。これについて、政党交付金319億円の半分を受け取る自民党は、どういう立場をとるつもりなのか。総選挙を前に各党が、いま一度態度を明らかにしてもらいたい。

橋本知事判決

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2009/7/3 朝日新聞     社説  橋本知事判決


 橋本徹・大阪府知事の弁護士時代の発言が、再び司法の場で厳しく批判された。
 山口県の母子殺人事件をめぐり、橋本氏は07年春、被告の弁護団体を批判し、「弁護団体を許せないと思うんだったら懲戒請求をかけてもらいたい」と呼びかけた。
 その発言をきっかけに大量の懲戒請求を受けた弁護団が損害賠償を求めた。広島高裁は「橋本氏は情報不足であるにもかかわらず、弁護団体を一方的に指弾し、テレビという媒体を用いて、虚偽の事実をないまぜにして視聴者に弁護団体の非難に加わることを求めた」と不法行為を認めた。
 懲戒の理由がないのに、その請求をしてはいけないのは当然のことだ。橋本氏は判決後、「重く受け止めます」とする一方で、「言論活動がどこまで認められるのか判断を求めたい」と上告する意向を示した。上告するのは自由だが、知事としての力量を発揮する橋本氏だからこそ、この問題を引きずらずに弁護団体に謝罪してはどうだろうか。

足利事件再審

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冤罪事件・第一次再審請求 公判の記録 に参加中!
2009/6/24 朝日新聞      社説  足利事件再審


 栃木県足利市で女児が殺害された事件の犯人とされ、無期懲役が確定した菅家利和さんについて、東京高裁が「犯人と認めるには合理的な疑いがある」として裁判のやり直しを決めた。
 誤りのない裁判こそ刑事司法の最も重要な使命だ。それを担うためには裁判官や検察官、警察官、弁護士が各々の立場から、誤判があれば、なぜ誤ったのかを徹底的に究明する必要がある。そしてその結果を公表し、社会で共有することが大切だ。
 だが、高裁の再審決定は誤判の原因を検証していない。
 過去の冤罪でもDNA型鑑定が覆った事例はいくつもあったのに、なぜ鑑定を過信したのか。再鑑定の機会は何度もあったのに、なぜ怠ったか。菅家さんが強いられたという「自白」についてもそうだ。信用性を疑わせる事態に、どうして目を向けなかったのか。
 裁判所は誤判原因の解明に背を向けることがあってはならない。まずは宇都宮地裁の再審裁判にその役割を期待したい。
 

西松事件裁判

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2009/6/20 朝日新聞      社説  西松事件裁判


 西松建設がダミー団体を作って偽装献金したとされる事件の初公判で、被告の西松建設前社長らは起訴事実を争わず、裁判は一日で結審した。
 法廷では2億円を超える西松側からの偽装献金が小沢事務所からの要請もあって続けられた経過が、検察側から明らかにされた。「形式犯」でなぜ逮捕したのか、という捜査批判に対する検察側の回答ということだろう。
 この事件では、総選挙前という時期に大久保秘書を逮捕、起訴したことが、政局に重大な影響を与えた。だが、同様な手法による献金を受けた自民党議員は摘発されていない。民主党だけでなく国民の間からも「不公正ではないか」との批判が絶えず、東北以外の地域でも政治家との癒着があったのでは、という疑念も募る。
 こんな批判や疑念に答えるためにも検察は小沢氏以外の政治家側への捜査を急ぎ、結論を出してほしい。また起訴に至らない場合、何らかの形で国民にその説明責任を果たすことも求められる。

広島少年院事件

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2009/6/11 朝日新聞     社説  広島少年院事件


 シャワーで水をかけ、無理やり紙おむつをつけさせてその姿を仲間に見せつける。「これを飲んで死ね」と言って、洗剤の容器を口に押しつける。顔を殴り足蹴にした挙句、トイレに行かせず失禁させる。
 広島少年院に収容されている少年たちに対し、法務教官らが加えたとされる暴行の数々だ。広島地検はその教官4人を特別公務員暴行陵虐の疑いで逮捕した。
 少年院は非行を犯した子供を保護し、生活指導や職業訓練などによって矯正教育する施設だ。だが、広島少年院で行われていたのは教育からほど遠く、人間の尊厳を踏みにじる行為である。
 再発を防ぐうえで重要なのは、外部の目によるチェック機能だ。法務省から独立した第三者委員会が内部調査できるよう制度を整える必要がある。
 教官のほとんどは少年の矯正に熱意をもって取り組んでいるに違いない。だからこそ、このような事件の再発を防がねばならない。自浄力を示すことが信頼回復への第一歩である。

入管法改正

2009/6/7 朝日新聞    社説  入管法改正


 政府は在留外国人をめぐる制度を大きく変えようとしているが、内容には問題も多い。
 法務省はICチップつきの在留カードを発行して、滞在にかかわる情報を一元管理する。勤め先や学校が変わった時には届けなければならない。法務省は情報を継続的にチェックし、在留資格を取り消すこともあるという。
 外国人の滞在状況を正確に把握する体制は必要だ。だが届け出を忘れただけで罰金が取られ、日本から追い出されるかもしれず、普通に生活を送る外国人に過度の負担を強いることにならないか。
 一方で、住民基本台帳に新たに外国人を載せる改正案は、外国人を地域の一員として位置づけており、これはいい方向だ。
 ただ滞在期間が超過した人に対し、新制度は厳しすぎるのではないか。中には真面目に働いて地域に定着した人も多く、彼らを行政サービスから遠ざけてはならない。
 こうした論点をめぐり、監視よりも共生の発想でさらに知恵を絞ってもらいたい。

足利事件

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冤罪事件・第三次再審請求 公判の記録 に参加中!
2009/6/5 朝日新聞     社説  足利事件


 1990年、栃木県足利市で女児が殺害された。警察は幼稚園のバス運転手だった菅家利和さんを逮捕した。その菅家さんが昨日、釈放された。
 逮捕の決め手は、DNA型鑑定だった。犯人と菅家さんの体液が一致したとの結果が出たのだ。鑑定結果を突き付けられ、菅家さんは犯行を自白したという。一審公判の途中で「虚偽の自白を迫られた」と否認に転じたが、一審も二審も最高裁も、DNA型鑑定と「自白」の方を信用し、無期懲役の刑が確定した。
 獄中の菅家さんと弁護団は再審を請求し、再鑑定を求めた。事件当時と比べて鑑定精度がはるかに向上したからだ。結果は一転、犯人と菅家さんのDNA型は一致しないというものだ。これは衝撃的な事態である。初期の鑑定の信用度が揺らぐ影響は計り知れない。
 裁判所にも猛省を促したい。DNA型鑑定を信用するあまり、無理やり引き出された「自白」の信用性を十分検討しなかった面はないか。再審裁判ではこの点の検証が不可欠である。

時効見直し

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冤罪事件・第二審公判の記録 に参加中!
2009/5/31 朝日新聞      社説  時効見直し


 死刑にあたる罪は25年。無期懲役の罪なら15年。こうした一定期間が犯罪の発生から過ぎると、その後に容疑者が分かっても起訴できない。
 なぜ時効制度があるのか。長い時間が過ぎると証拠が集めにくくなる、被害者や社会の処罰感情も薄れる、といった理由からだ。
 ところが最近、事件の被害者や遺族らから、時効の撤廃を求める声が強まっている。背景にあるのは、DNAで識別する鑑定の精度が飛躍的に進歩したことだ。
 これに対して、日本弁護士連合会や一部の被害者の中からは次のような反対論が出ている。時間がたつほど、アリバイや被告に有利な証言は探しにくくなり、十分な弁護活動ができない。またDNA型鑑定だけを頼りにすると冤罪が起きる可能性がある。
 時効廃止には、徹底した冤罪防止策が不可欠だ。とはいえ、対象事件の適用範囲や、捜査体制の状況など多数の論点が残る。国会だけでなく、国民の間でもじっくりと多角的に議論する必要があろう。


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