今日の朝日新聞社説-要約-

朝日新聞社説の要約です。忙しいあなたなら3分で読める今日の社説。受験生のあなたには要約のススメ。

外交

TPP交渉 -- 日米の責任は大きい

2014 2/27(木)  TPP交渉 -- 日米の責任は大きい

 環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐるシンガポールでの閣僚交渉は、合意に達することができなかった。

 参加12カ国のうち経済規模でず抜けている米国と日本が、関税分野で折り合えなかったことが主因であり、両国の責任は重い。

 牛・豚肉やコメなど日本が高い関税で守っている「重要5項目」について、米国は一律に関税ゼロを求める姿勢を崩さなかったようだ。今秋の中間選挙を控えてことさら強硬になっているようだが、国内事情を交渉に持ち込むのは筋違いである。

 日本にも、問題は多い。全品目のうち関税を撤廃する品目の割合である自由化率で、日本の提案は米国を含む他の国より大きく見劣りしている。重要5項目のうち4割は輸入実績がない。品目ごとに関税を下げたり撤廃したりする余地は十分あるはずである。

 アジア太平洋は今後、高い成長が期待できる地域である。TPPの目的は何か。両国政府は改めて確認し、粘り強く交渉する必要がある。



*チェックポイント
・TPPで合意に達することができなかった
・米国と日本が関税で折り合えなかったことが主因
・両国の責任は重い → 各々の国への提言
・まとめ

南シナ海問題 -- 中国は合意を忘れるな

2014 2/24(月)  南シナ海問題 -- 中国は合意を忘れるな

 日本周辺の東シナ海だけでなく、台湾以南の南シナ海でも、中国が影響力を広げようとする行動が目立っている。

 中でも不可解なのは、「9段線」と呼ばれる境界線だ。1947年に中華民国内政部(当時)が引いた線を受け継いだものだが、現時点での意図ははっきりしない。領海なのか、排他的な経済権益なのか。何であれ、国際ルールとは相いれない。

 中国はこれまで強硬路線と対話路線の間を揺れてきた。80〜90年代、ベトナムとフィリピンが領有を唱えるスプラとリー初頭の岩礁を占拠したり、監視施設を設けたりした。一方、ASEANとの間で、平和解決を目指す02年の「行動宣言」、さらに12年に「行動規範」作りに合意した。

 南シナ海問題をめぐり中国は周辺国と平和解決をめざすルール作りで合意したはずだ。みずから合意の精神に背き、大国エゴに走る行動は地域の警戒心を高めるだけだ。中国は自身の利益のためにも、行動を自制すべきである。



*チェックポイント
・南シナ海における中国の台頭
・不可解な「9段線」
・強硬路線と対話路線で揺れてきた中国
・主張:南シナ海におけるルール作りで合意したはず。行動を自制せよ。

日米韓の結束 -- 米国頼みを卒業せよ

2014 2/17(月)  日米韓の結束 -- 米国頼みを卒業せよ

 軍拡と勢力拡張を進める中国にどう対処するか。北朝鮮に核の放棄をどう迫るか。そんな差し迫った難題が眼前にあるというのに日韓両政府が背を向け合うことに、米政府はいらだちを強めている。

 ケリー国務長官は今月、訪米した岸田外相と会談したのちに訪韓し、オバマ大統領の4月の日韓訪問予定を伝えた。大統領は仲介役を担う用意はある。だが、その前に当事者同士で関係を修復するのが筋だ。ケリー氏はそう呼びかけた。米国からの異例の和解勧告である。

 日本が特に気にかけるべきは、近隣外交をめぐる緻密な戦略を描く能力そのものが安倍政権にはかけているのではないかという米国側の懸念だろう。

 日韓の安全保障はともに米国の傘のもとにあるが、その枠組みの強度を保つのは、日韓それぞれの外交努力である。日米韓の結束は当事国ののみならず、東アジア全体の安定に欠かせない。日韓両政府とも、その重い責任を自覚し、米国頼みを卒業すべきだ。



*チェックポイント
・差し迫った難題が控えているなかでの、日韓両政府の反目に対する米政権のいらだち
・米国からの異例の和解勧告
・日本のとるべき立場
 → 主張:米国頼みは卒業せよ

日ロ領土問題 -- 地域の安定が前提だ

2014 2/10(月)  日ロ領土問題 -- 地域の安定が前提だ

 冬季五輪が始まったロシア南部ソチで日ロの首脳会談があった。

 記者会見で安倍氏は、「強固なものとなった個人的信頼関係をもとに」プーチン氏と領土問題を解決し、平和条約を結ぶことに強い意欲を示した。会談ではほかに、安全保障や、エネルギー、経済など広く話し合われた。だが、日本と中国、韓国との関係が悪化の一途をたどる北東アジア情勢には、ほとんど触れなかったのは疑問が残る。

 ロシアは、極東とシベリアの開発にアジア太平洋諸国から投資や技術を引き入れようとしている。また安保上の懸案でも、日中韓との連携を目指している。その思惑の中で、領土や歴史をめぐり日本と中韓が緊張する状況は、ロシアにもマイナスとなる。日ロ間の領土問題の解決も結局は、北東アジア全体の安定が前提となる。その現実を見失ってはならない。

 日本はいかに中韓との関係改善を実現するのか。プーチン氏訪日に向け、安倍首相はきちんと構想を描く必要がある。


*チェックポイント
・ロシアで日ロの首脳会談があった。
・会談内容
 → 北東アジア情勢にほとんど触れなかったのは疑問が残る
・ロシアの思惑も考えれば、北東アジアの安定が重要
・日本も中韓との関係改善の構想を描く必要有り

TPP交渉 -- 日本がなすべきことは

2013 12/12(木)  TPP交渉 -- 日本がなすべきことは

 環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉は、年をまたぐことになった。

 交渉は、知的財産権の保護で難航しており、医薬品の特許やデータの保護期間が焦点となっている。また政府の保護を受ける国有企業は新興国で大きな役割を担っており、民間企業との競争関係をめぐっても交渉が続いている。

 新興国が力をつけるなかでの交渉は困難も大きい。だが、経済の発展とその恩恵を実現するには、先進国と新興国の双方が手を取り合っていくしかない。

 議会から「一括交渉権」を得ていない米オバマ大統領は、個々の業界の利益を代弁する議員の声に配慮して、ことさらに強硬になっている面もあるようだ。その米政府に対し、「アジ太平洋重視」を示すべく妥協を交えつつ交渉を進めていくよう促すことが日本の役割であろう。

 そのために、関税を撤廃する品目の割合を示す「自由化率」において、日本もTPPが目指す「高い水準の自由化」にきちんと向き合う必要がある。


*チェックポイント

・TPP交渉が年をまたぐことになった

・交渉の困難な点
  1:知的財産権の保護
  2:国有企業と民間企業との競争関係

・先進国と新興国との共同作業の必要性

・日本の役割 -- 米政府への提案

・自由化率の実現に向けた努力

中国防空圏 -- 不測の事態を避けよ

2013 12/5(木)  『中国防空圏 -- 不測の事態を避けよ』

 日本、中国、韓国が囲む東シナ海の情勢が複雑さを増している。安保問題の焦点は、中国が突如設定した防空識別圏である。

 識別圏は、不審な航空機の領空接近を警戒するため領空の外に各国が設ける防空の「目安」であり、識別圏をつくること事態は問題ではない。だが中国の場合、公海の飛行の自由を妨げるような、国際法違反につながる内容を含む。

 3国を歴訪中のバイデン米副大統領が安倍首相と会談し、中国の識別圏に対する強い懸念で一致した。

一方で、中国側の措置の撤回を求める発言はしなかった。日米の対応には微妙なずれが垣間見えるが、安定役をめざす米国と歩調を合わせて落ち着いた対応をとることは日本にとって有益である。

 バイデン氏が強調したように日中間の危機管理の仕組みつくることは考慮に値する。緊張のさなかに新たな安全保障のルールづくりに着手するのは簡単ではないが、日米中韓の各政府はそこに照準を合わせるべきである。


*チェックポイント

・東シナ海の情勢が複雑に

・問題は中国の設定した防空識別圏
 → 防空識別圏の説明 + 中国側の強行策

・首脳陣の動向

・今後の対応

平和構築

ブログネタ
NGPO政治/経済(国際社会)全般 に参加中!
2010/4/18 朝日新聞    社説  平和構築


 戦いが終われば平和がやってくる。そんな当たり前に思えることが、実は当たり前ではない。そこで紛争の再発防止と復興の支援を国際社会が共同して行うのが、平和構築という仕事だ。
 岡田克也外相がニューヨークの国連安全保障理事会で、途上国での平和構築をテーマとする公開討論の司会を務めた。前例を破って行動した岡田氏の姿勢を評価したい。また日本は、国連平和維持活動(PKO)予算の13%を分担し、米国に次ぐ拠出国である。平和構築は日本外交の一つの看板になり得よう。
 だが、和平交渉における実践例をみると、その例はまだ少ない。平和構築を日本の得意技にするには、まず現場で活躍できる人材育成が欠かせない。問題は育てた人材をどう活用するかである。それは日本の外交方針と一体として考えられなければならない。
 政府はPKOへの派遣にもっと力を入れるとともに、各地での紛争状況を把握し、当事者間の対話や調停にも取り組むべきである。

キルギス政変

ブログネタ
アジアの軍事情勢 に参加中!
2010/4/11 朝日新聞    社説  キルギス政変


 戦略的に重要であれば、その国のはらむ大きな問題に目をつぶって援助をしてよいか。キルギスの政変は、こんな問いを国際社会に投げかけている。
 キルギスを含む中央アジアは、長くソ連共産党の独裁のもとにあって民主主義の伝統が乏しく、強権的な傾向が強かった。そうした国々が独立した当初、国際社会は国づくりを支援するにあたって民主主義や人権の尊重を強く働きかけた。しかし2001年に米国同時多発テロ後、アフガンでの対テロ作戦に隣接する中央アジア諸国の協力を得るため、民主化の圧力は弱まった。
 とりわけキルギスは中央アジアで唯一の米軍基地があり、米国が多額の経済援助をつぎ込んできた。ロシアも米国の進出を牽制するために財政援助をし、結果的にキルギスの政権の腐敗や強権を延命させる形となった。
 中央アジア諸国への国際社会からの支援は必要だが、短期的な視点に傾きすぎず、民主化や経済の安定に役立つものへ見直すべきである。

被爆64年

ブログネタ
核兵器 に参加中!
2009/8/6 朝日新聞     社説  被爆64年


 被爆地は今年、格別な夏を迎えた。「核兵器のない世界を目指して具体的な方策をとる」。米国のオバマ大統領がプラハ演説でそう宣言して、初めて迎える夏だからだ。
 核に頼らない安全保障体制を構築していくには、たくさんの政策の積み重ねがいる。ここでは特に、「非核の傘」を広げていくことを強く求めたい。
 核不拡散条約(NPT)に入った非核国には、核を使用しない。これを世界標準として確立すれば、NPT加盟の非核国は、核攻撃のリスクを大幅に減らせる。それが「非核の傘」だ。
 これを広げる方法は、いくつもある。第一には、国連安保理で明確に決議することだ。第二に、非核地帯条約の活用だ。核兵器保有国は、条約加盟国を核攻撃しないことを約する議定書があるが、米ロ英仏中すべてが批准しているのはラテンアメリカのものだけ。残りの議定書の批准を急ぐべきである。第三の方法は、核兵器国が核先制不使用を宣言し、核の役割を相手の核攻撃の抑止に限定することだ。
 日本政府は、米国による核先制不使用宣言には慎重だ。だが、日本が核抑止を強調するあまり、核軍縮を進めようとするオバマ構想の障害になっては、日本の非核外交は台無しだ。当面、核抑止を残すにせよ、「非核の傘」を広げていく政策を進めるべきだろう。
 軍事費を拡大させる中国への対応も欠かせない。日本も米中の現実を認識し、北東アジアでの核の役割を減らしつつ、地域の安定を図る構想を示していく必要がある。これが、中国を核軍縮の輪に加える大きな力になろう。
 世界の核拡散問題には地域対立や宗教対立がからんでいる。核実験をしたインド、パキスタン。事実上の核保有国とされるイスラエル。ウラン濃縮を続けるイラン。
 これらの国を非核に向かわせるには、根気強く対立をほぐしつつ、核保有がむしろ国を危うくすることを説いていくしかない。唯一の被爆国として日本は、そうした外交でもっと知恵を絞りたい。

ラクイラG8

2009/7/11  朝日新聞       社説  ラクイラG8


 米欧日が合意すれば世界がついてくる時代ではない。イタリア・ラクイラでの主要国首脳会議(G8サミット)は、そんな多極化時代のG8 の限界をまざまざと示した。
 経済金融問題に関する首脳宣言は、4月のロンドンG20 宣言を焼き直したような内容になった。金融規制など肝心のところは、9月のG20サミットへ持ち越した。
 温暖化問題はG8と並行して開いた主要経済国フォーラムが注目されたが、新興国の反発にあい、具体的な数字を盛り込めなかった。振興・途上国のまとめ役としても期待された中国の胡錦涛国会主席の突然の帰国も響いたのだろう。
 東西冷戦下の75年に仏ランブイエ城で初のサミットが開かれて34年。グローバル化と米国の地位の相対的低下が進んだ時代にふさわしい国際協調のあり方が模索されている。
 日本も安閑としてはいられない。重層化した協調システムに積極的に加わり、構想力を磨いて存在感を示していかねばならない。


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