2009/2/6 朝日新聞 社説 タイ首相来日
政治や社会の混乱の火種がくすぶっているところに世界同時不況が影響し始めた。そんな状況のタイから、新首相のアピシット氏が来日した。
アピシット氏の支持母体は反タクシン派だ。対立するタクシン派は空港占拠の責任を追及し抗議行動を始めている。新政権は混乱を収め、法秩序を回復させることが先決だろう。
97年のアジア通貨危機では、タイを震源地とする混乱がアジアから世界へ広がった。その経験から東南アジア諸国連合(ASEAN)は東アジアでの域内分業を進め、工業製品を米国等へ輸出することで着実な成長を果たした。だが米国の消費頼みはもう通じない。域内の内需を拡大する方向へ大きくかじを切る必要がある。ASEAN議長国であるタイは、その自覚を新たにしてほしい。
またアピシット氏は、政治混乱により開催を見合わせた一連の国際会議を4月に行う意向だ。アジア経済活性化に向け、今こそ域内各国の知恵を結集させてもらいたい。
政治や社会の混乱の火種がくすぶっているところに世界同時不況が影響し始めた。そんな状況のタイから、新首相のアピシット氏が来日した。
アピシット氏の支持母体は反タクシン派だ。対立するタクシン派は空港占拠の責任を追及し抗議行動を始めている。新政権は混乱を収め、法秩序を回復させることが先決だろう。
97年のアジア通貨危機では、タイを震源地とする混乱がアジアから世界へ広がった。その経験から東南アジア諸国連合(ASEAN)は東アジアでの域内分業を進め、工業製品を米国等へ輸出することで着実な成長を果たした。だが米国の消費頼みはもう通じない。域内の内需を拡大する方向へ大きくかじを切る必要がある。ASEAN議長国であるタイは、その自覚を新たにしてほしい。
またアピシット氏は、政治混乱により開催を見合わせた一連の国際会議を4月に行う意向だ。アジア経済活性化に向け、今こそ域内各国の知恵を結集させてもらいたい。