今日の朝日新聞社説-要約-

朝日新聞社説の要約です。忙しいあなたなら3分で読める今日の社説。受験生のあなたには要約のススメ。

国内

空幕長更迭

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2008/11/2 朝日新聞     社説  空幕長更迭


 田母神俊雄・航空幕寮長が日本の植民地支配や侵略行為を正当化し、旧軍を美化する論文を書いた。
 空幕長は航空自衛隊のトップであり、軍事専門家としては無論のこと、高い人格や見識、バランスの取れた判断力が求められる。その地位にいる人物が今回の事件を起こし、驚き、あきれ、そして心胆が寒くなる心地である。
 しかし田母神氏の奇矯な言動は今回に限ったことではない。防衛省内では要注意人物であると広く認識されていたのに、歴代の防衛首脳は田母神氏の言動を放置し、トップに上り詰めさせた。そして誰も彼を止められない。
 これは「文民統制」の危機というべきだ。浜田防衛相は田母神氏を更迭したが、この過ちの重大さはそれだけでは済まされない。
 国際関係への影響も深刻だ。麻生首相は今回の論文を「不適切」と語ったが、まずこの事態を生んだ組織や制度の欠陥を徹底的に調べ、その結果と改善策を国会に報告すべきである。

代表質問

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2008/10/2 朝日新聞       社説  代表質問


 国会で代表質問が始まった。野党が自らの政治思想を説き、与党が野党に対して質問するという、まるで立場が入れ替わったかのような代表質問である。風変わりの第1幕ではあったが、なんとか国民の支持を得ようと奮闘する姿勢は歓迎したい。
 民主党の小沢氏は、曖昧な点がやや残るが、先月の党大会における政治思想を具体的に語り、国民の不安に答えようという思いが伝わってきた。特に注目したいのは次の発言だ。「無駄遣いを続ける今の税金の使い方を許すのか、それとも、税金の使い方を根本的に変えるのか」。今直面している問題を根本的に変えるには政権交代しかない、というのが小沢氏の主張の中核である。
 対する麻生氏ら与党は、今の危機に対処できるのは自民党しかいないと主張する。
 総選挙に向けて対立軸のようなものが見えてきたのではないか。詰めた議論でこの対立軸を鮮明に有権者に示し、1日も早く国民の信を取ると問うべきだ。

自民党総裁選

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2008/9/11 朝日新聞   社説  自民党総裁選


 この10年あまり、自民党は激しく浮き沈みを続けてきた。いやもっと長い視点で見ると、長期低落を歩んできた自民党の軌跡が見える。小泉首相時代の5年間が、実は例外だったのではないかとさえ思えてくる。
 昨日告示された自民党総裁選に立候補した5人が引き継ごうというこの党は今、崖っぷちに立たされている。格差対策、改革の痛みへの手当て、温かい政治。参院選での惨敗を思えば当然の変身だろう。そして5人の候補者は改革の必要性に触れつつも、「小泉路線を引き継ぐ」と明言する人はいなかった。
小泉流にかわってこの党を再浮上させる策は何なのか、それを明確に示すことが、22日の投票日までに候補者たちに求められていることだ。政権党としての長い歴史の中で培われてきた利益分配の仕組みや、官僚との二人三脚が批判にさらされており、並大抵のことではないだろう。しかし今語るべきことは何なのか、それを認識すべきだ。

小沢民主党

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2008/9/9  朝日新聞        社説  小沢民主党


 にぎやかな自民党総裁選をよそに、民主党代表選は無投票で小沢氏に決まった。本来ならば複数の候補者が競い、民主党政権の姿を国民に伝える格好の舞台となるはずだったが、衆院の解散・総選挙が迫るため小沢氏の下で結束したのだろう。
 小沢氏が自民党を抜けて15年。今の民主党が旗揚げして10年。小沢氏と民主党は政権交代を目指してきた。2年前には偽メール事件で地に落ちた民主党を建て直し、前回の参院選では圧勝した。政権交代の流れの中で、正念場がやってきた。
 しかし政策案には不満が残る。本番は総選挙で代表戦はたたき台との考えがあるのだろうが、財政支出を伴う政策を並べたのに、相変わらずその財源が不透明だ。民主党で大丈夫なのかという国民の不安に答えられる現実的で説得力のある政策と、それを実現させる覚悟を示す必要がある。
 無投票で形ばかりの結束を演出するのではなく、総力を挙げての政策作りで党の結束を示してほしい。

自民党総裁選

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福田首相の辞任、次期総裁レース…あなたの意見は? に参加中!
2008/9/3 朝日新聞       社説  自民党総裁選


 福田首相の突然の退陣表明を受け、自民党総裁選の日程が決まった。24日には新首相が誕生することになる。
 麻生太郎幹事長がいち早く出馬を表明した。対抗馬としてだれが名乗り上げるのかが焦点だ。自民党からすれば複数の候補者によるにぎやかな政策論争で雰囲気を変えて出直したいところであろう。
 総裁選では麻生氏ら候補者は国民が聞きたいと思う政策について率直かつ具体的に語り、勝者の主張をそのまま総選挙の党マニフェストの骨格にする。そのような緊張感のある論争にすることが必要だ。
 「豊かで活力のある社会」との抽象的な宣言でお茶を濁したり、派閥の数合わせで次期総裁が決定したりするようでは2週間も選挙期間をとる意味が全くない。総選挙をにらんで有権者受けのいい「選挙の顔」を望む声もあるが、不景気や社会保障の劣化に直面する有権者の不安を過小評価してはいけない。政策を語らずして信頼は得られないことを肝に銘ずるべきだ。

福田首相辞任

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福田首相の辞任、次期総裁レース…あなたの意見は? に参加中!
2008/9/2 朝日新聞      社説  福田首相辞任


 福田首相が唐突に辞任を表明した。自民党の首相が2代続けて自ら政権を放り出すことになり、極めて異常かつ無責任な行為である。首相はなぜ辞任に踏み切ったのか。
 首相は政権を引きついだ当初から、参院の多数派が逆転した「ねじれ国会」の運営を迫られた。これを打開しようとしかけた切り札は、小沢民主党代表と語らっての「大連立」構想だった。だがこれが民主党内での反発で立ち消え、首相はほかに打つ手を思いつかず、早期解散・総選挙に的を絞った小沢民主党と諸政策で徹底的に対決することとなった。
 この危機を首相は「衆議院の優越」を利用し、再可決することでしのいだ。しかし再可決には衆院を通過してから60日の日数がかかる。遅々として進まない政治への世論の苛立ちが現れてきてしまった。
 しかしちょうど1ヶ月前、首相は内閣改造でようやく自前の布陣を整え、秋の臨時国会に向けて意気込んでいたはずだ。それがここへきて唐突に首相に辞任を決断させた決定打は、与党である公明党からの思わぬ攻勢だった。世論の反発を買うとして、来夏の東京都議選をにらんで早期解散に目を向ける公明党が、衆院の再可決に待ったをかけた。さらに予算のばらまきにつながるとして渋る首相を押し切って、定額減税を受け入れさせた。公明党の協力がない限り、衆院の再可決の道は閉ざされる。選挙になれば創価学会の支援なしには自民党の勝利は全くおぼつかない。民主党、世論、そして公明党。これらが首相のやる気を失わせたのだろう。
 「ねじれ国会」という根本的な矛盾がある限り、世論の支持はあがらず、自民党の誰が首相になろうと政権運営はいき詰まる。自民党総裁選を経て選ばれる次期首相の使命は、できるだけ早く衆院を解散して国民の審判を受けることだ。社会保障の建て直しと財政の再建を両立させる方法を国民に示し、民意を体した正統性のある政権を1日も早く日本に取り戻さなければならない。


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