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2009/7/22 朝日新聞        社説  衆院解散、総選挙へ


 政権交代の予兆が強まるなか、歴史的な総選挙の号砲が鳴った。
 それにしても、自民党に対する民意の厳しさは尋常ではない。解散までの混乱が映し出したのは、それにうろたえるばかりの政権党の姿だった。これは何より、明日の暮らしと国の未来への人々の不安や危機感を受け止められない自民党政治への失望だろう。
 一番の元凶は小泉改革だと、自民党内で批判が熱い。だが振り返れば、20年前の冷戦終結とバブル後の「失われた時代」の到来はすでに、自民党政治の終わりを告げていたのであろう。
 民意が今の流れのままなら、民主党政権誕生の可能性は高い。たしかに政権を代えてみたいという期待は強いが、懸念や不安もある。
 民主党のいう「脱官僚」の制作決定の仕組みができれば、永田町や霞が関は大変わりだろう。混乱は最小限に抑えられるのか。この変革の先にどんな民主主義の姿を展望するのか。ばらまき政策に財源はあるのか。外交政策もあいまいなところが多すぎる。
 一方の自民党が踏みとどまるには、自らの長い政権運営の歩みを総括し、生まれ変わった「政権担当能力」を示すことだ。
 マニフェストづくりを急ぐ各政党に、政権を選ぶ材料として、取り組む政策の優先順位を明確にしてもらいたい。公約の説得力を有権者の前で競う「マニフェスト選挙」が求められる。
 選挙後の勢力図次第で、政局は予断を許さない。自民党からは政党再編論が早くも聞こえる。だが、政権交代しやすい小選挙区を導入して15年。民意が政権公約に基づく選択でそれを機能させようというところで、いきなりその選択を無にしようという発想はいただけない。複雑な大変化の時代だからこそ、選択の結果を大事にしたいというのが有権者の思いであろう。
 この選挙で課題がすべて解決するわけではない。だが、まずは民意の力で「よりましな政治」へかじを切る。日本の民主主義の底力を示す好機だ。目を凝らして日本の明日を定めたい。

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