2009/7/20 朝日新聞      社説  新生あおぞら


 新生銀行とあおぞら銀行が来年10月に合併する。
 両行の前身は日本長期信用銀行と日本債券信用銀行。ともに金融債を地方の金融機関や富裕な個人に売り、集めた資金を産業界の設備投資向けに長期融資するのが使命だった。
 だが、高度経済成長が終わり、借り手が減り始めた。これを補おうと不動産融資などに走ったが、バブル崩壊の直撃を受け、両行とも一時国有化された。
 新生銀は個人向け業務や消費者金融の子会社化で殻を破ろうとした。あおぞら銀は不動産融資や企業再生業務に力を入れた。だが、目先の利益に目がくらみ、海外への投資が増えていった。これがリーマン・ショックで暗転。両行とも巨額の損失を被った。
 過去への反省から、新銀行は預金を持て余す地方の金融機関との連携に活路を求める。資金運用や企業融資などで高度なノウハウを提供することで共存共栄を図る考えだ。両行には、今ある公的資金の枠内で自己革新を遂げてもらいたい。

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