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2009/7/12 朝日新聞     社説  臓器移植法案


 施行から12年たつ臓器移植法の改正案の採決が、参議院本会議で13日に行われる。
 衆院で可決されたA案は、臓器移植に限って脳死を人の死とするという現行法の規定が削除されている。ところが、死の範囲が広がるという批判が相次いでおり、どんな場合に脳死を人の死とするかの議論が尽くされぬまま、参院に送られた。
 参院委員会では審議の終了間際になって、「臓器提供時に限ることを明確にする」との理由で削除分を復活させる修正案が出た。だが、A案と修正案で死の定義がどう違うのか、依然として肝心な点は曖昧だ。
 両案に共通する問題の議論も深まったとはいえない。現行法同様、臓器提供の場合だけ脳死が人の死とするなら、本人の意思表示はなくてもいいのか。親族への優先提供を認めるのは公平性を損なわないか、といった点だ。
 最高の府としての参院の責任は重い。法案の問題点をしっかり見据え、多くの国民が納得できる答えを出してもらいたい。

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