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2009/7/4 朝日新聞     社説  核の番人


 原子力をこっそり軍事目的に悪用している国はないか。それを査察で確かめる役割を担うのが、国際原子力機関()だ。「核の番人」の異名をもつこの組織のトップを、12月から日本の外交官が務めることになった。天野之弥氏である。
 ただ、忘れてはならないのは、IAEA事務局長は時に政治的な判断、行動を求められる厳しい職であることだ。核保有国の意向とぶつからねばならない時もある。
 オバマ大統領は4月のプラハ演説で、テロ集団などに狙われる恐れのある核物質を安全に管理するため、国際的な管理体制づくりを提唱した。拡散防止に対し、IAEAがどのように専門知識や人材を生かしていくか。今後の課題だ。
 途上国の中には「日本が米国に近すぎる」との懸念もある。米国が途上国に新たな注文をつける公算が大きいとみているのだろう。こうした懸念に配慮しつつ、オバマ大統領と協調していかねばならない。米国との人脈も厚い天野氏の手腕に期待したい。


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