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2009/7/1 朝日新聞   社説  水俣病法案


 水俣病の未認定患者を救済する特別措置法案をめぐる与党と民主党との修正協議が最終局面を迎えている。だが、このままでは、真の恒久救済には遠いと言わざるを得ない。
 そもそも、水俣病の救済がこじれているのは、汚染された不知火海一帯の被害調査が一切なされなかったことが大きな原因だ。被害地域の実態把握をすることなく、この問題に終止符を打つことは許されない。
 どうにも解せないのが、特措法案の中で、与党も民主党も、政府と司法に2つある認定基準の問題に踏み込まなかったことだ。旧環境庁が作った基準に対し、最高裁は04年にこの基準を事実上、否定した。だが、救済の枠組み全体が崩れるのを恐れてか、いまだに環境省は基準を変えようとしない。
 これは「水俣病とは何か」という問題だ。救済法案を論じる前に二重基準問題を解消することこそ、政治が決断すべきではなかったか。早期救済を目指すのは当然だが、安易な歩み寄りは禁物である。


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