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冤罪事件・第一次再審請求 公判の記録 に参加中!
2009/6/24 朝日新聞      社説  足利事件再審


 栃木県足利市で女児が殺害された事件の犯人とされ、無期懲役が確定した菅家利和さんについて、東京高裁が「犯人と認めるには合理的な疑いがある」として裁判のやり直しを決めた。
 誤りのない裁判こそ刑事司法の最も重要な使命だ。それを担うためには裁判官や検察官、警察官、弁護士が各々の立場から、誤判があれば、なぜ誤ったのかを徹底的に究明する必要がある。そしてその結果を公表し、社会で共有することが大切だ。
 だが、高裁の再審決定は誤判の原因を検証していない。
 過去の冤罪でもDNA型鑑定が覆った事例はいくつもあったのに、なぜ鑑定を過信したのか。再鑑定の機会は何度もあったのに、なぜ怠ったか。菅家さんが強いられたという「自白」についてもそうだ。信用性を疑わせる事態に、どうして目を向けなかったのか。
 裁判所は誤判原因の解明に背を向けることがあってはならない。まずは宇都宮地裁の再審裁判にその役割を期待したい。
 

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