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2009/5/29 朝日新聞      社説  原爆症訴訟


 裁判に負け続けながら責任を認めない。法治国家の政府としてこれでいいのか。原爆症の認定をめぐる集団訴訟への対応である。
 認定にあたっては、医療分科会の意見をもとに厚生労働相が可否を決める。当時の認定基準では、爆心地からの距離をもとに被爆放射線量を推定し、病気が起こる確率を出した。だが、一連の判決で「機械的すぎる」と批判され、厚労省は昨年4月に基準を改変した。
 ところが、その基準も不十分である。認定の対象を、がんや白血病など特定の5つの病気に限っているからだ。昨日の東京高裁判決も新基準ではじかれた人を原爆症と認めたうえ、新基準を「原爆症認定の判断基準として適格性を欠く」と断じた。政府はその判決を真摯に受け止め、認定基準を見直さなければならない。
 また、担当する医療分科会には「機械的」とされた従前の評価方法にこだわる委員が多く残る。厚労相は半数の委員を入れ替え、全員救済を急ぐべきである。


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