ブログネタ
日中ビジネス、日中貿易 に参加中!
2009/5/1 朝日新聞    社説  IT摩擦


 中国を初めて公式訪問した麻生首相が、温家宝首相と会談した。
 協議内容は「戦略的互恵関係」だ。だが、筋違いの問題も焦点に浮上した。IT(情報技術)セキュリティー製品を中国で製造、販売する企業に、技術情報の開示を義務づける「中国強制認証制度」(CCC)の適用問題だ。
 この認証を得るためには、製品を制御するソフトの設計図の開示が求められる可能性が大きい。コンピューターウイルスの侵入などを防止するのが狙いだ、と中国側は説明するが、制御ソフトは企業の重要な知的財産だ。麻生首相が「貿易の障害だ」と撤回を求めたのは当然だ。
 中国が強気な態度に出た背景には、世界経済危機のなかで唯一といっていいほどの成長市場であると自覚していることがあろう。日中の力関係も大きく変わりつつある。中国は激しい指し手を突きつけてくるだろう。受身に回るのではなく、先を読み、国際連携で先手を打つ外交がこれまで以上に必要になる。

スポンサードリンク