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2009/4/12 朝日新聞    社説  結核


 若手の人気女性タレントが肺結核になり、入院した。
 結核はかつては不治の病であり、幾多の若い命を奪った。第2次世界大戦後、栄養状態がよくなり、薬も登場して死者は激減した。だが、結核は決して過去の病気ではない。治療には時間がかかるし、1割程が亡くなる。ほかの人にうつす恐れもある。
 日本で結核になる人の半分は70歳以上だ。若いころに感染し、生き残っていた菌が、免疫力低下で活動を始めるらしい。社会の高齢化は患者数を押し上げるだろう。栄養状態が悪く、医療に遠い貧困層の拡大も患者増につながりかねない。
 大切なことは、免疫力を保ってかからないようにしつつ、早く見つけて確実に治療することだ。せきが長引くようなら、結核を疑って受診することを心がけたい。
 結核医療は採算性が悪く、病棟の閉鎖も続く。他の病気が重なった難しい症例も増えている。新しい発想で医療体制を整える必要がありそうだ。結核との闘いはまだまだ続く。

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