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2009/4/9 朝日新聞    社説  両陛下結婚50年


 天皇、皇后両陛下はあす、結婚50年を迎える。
 天皇は戦後に制定された新憲法で、日本国と国民統合の「象徴」と位置づけられた。しかし実際に新たな皇室像をつくり、国民の心をつかんでいったのは、昭和天皇を支えたお二人だった。「大衆天皇制」。政治学者の松下圭一氏は、このころ一気に盛り上がった皇室への関心をこう評している。
 象徴天皇制は、右肩上がりの戦後社会とともに歩んできた。そして今、皇室は新たな苦悩に覆われている。
 皇太子様は04年、体調を崩した雅子さまについて「人格を否定するような動きがあった」と述べた。触れると切れそうな言葉が、雅子さまへの同情を越え、波紋を広げた。皇室から聞こえ始めた不協和音。皇室の危機だと憂慮する人も少なくない。一方で、「大衆天皇制」の帰結だと受け止める人もいるかもしれない。
 だが、いつの時代にも皇室は様々な課題を背負ってきたはずだ。そうして時代と社会の変化に合わせて、皇室もそのありようを変えてきたのではないか。
 それにしても両陛下にとって、家族の問題で国民から心配されるのはどれほどつらいことか。皇太子ご夫妻も同じだろう。雅子さまの体調のことも含めて温かく見守りたい。
 未来を見据えれば、皇位をどうつないでいくかという難問もある。母方だけに天皇家の血を引く女系天皇を、歴史上初めて認めるかどうか。41年ぶりに男子皇族が誕生したとはいえ、いくつもの世代にわたっての皇位の安定を望むのであれば、心もとないともいえる。一方で、皇位継承の根幹を変える声への反発も根強い。
 だが、女系天皇を認めることは民意と時代の流れに沿ったものであり、基本的に妥当な道だろう。ただ、皇室の姿を大きく変えることは疑いない。伝統と時代の変化にどう折り合いをつけるのか。そして、これからの時代にどんな皇室の形がふさわしいのか。本格的な議論を始めていきたい。

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