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2009/3/23 朝日新聞     社説  パキスタン


 アフガニスタンの隣国であり、核保有国でもあるパキスタンの政情不安が世界の懸念を呼んでいる。
 ザルダリ大統領と野党指導者のシャリフ元首相は、強権振りが目立った軍人出身のムシャラフ大統領を退陣に追いやった。ところが、すぐに自派の利益を求めて関係は決裂した。
 先週、両氏は危機回避で妥協した。だが、この妥協で復職したチョードリ最高裁長官は、ザルダリ氏の汚職疑惑の追及に道を開く可能性があり、火種は残されたままだ。
 米国のオバマ政権は、パキスタンとアフガンの両国をまとめて安定化させ、国際テロの脅威を除こうと戦略を練っている。それなのに肝心のパキスタンで内政の混乱が続くようでは、有効な支援策も立てにくい。両氏は国際社会の重大な懸念を深刻に受け止めるべきである。
 国際社会が今やるべきことははっきりしている。支援が確実に民主化と安定の向上につながるよう、パキスタンの指導者たちに強く働きかけることである。

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