ブログネタ
アメリカの政治総合 に参加中!
2009/3/21 朝日新聞     社説  日本と核軍縮


 「核のない世界」を目指すと公約して当選したオバマ大統領が来月初め、ロシアのメドベージェフ大統領との初の首脳会談に臨む。両核超大国が新たな核軍縮の道筋をどう描くか。これが大きな焦点だ。
 実は過去に、核廃絶に肉薄した両国の首脳会談があった。1986年10月、アイスランドでの会談だ。この時は、宇宙にまでミサイル防衛網を張り巡らそうとしたレーガン大統領にソ連のゴルバチョフ書記長が反発し、話は具体化しなかった。
 それから20年以上の月日が流れ、オバマ氏が再びこの目標に挑戦する。確かに廃絶への道は険しいが、歴史的な転換点にさしかかっていることは間違いない。この好機をなんとしても生かしたい。
 現在、米国とロシアは合わせて約1万発の核を持つといわれる。まずは米ロで大幅削減し、さらにその先の軍縮にも取り組むべきだ。
 日本が米国を後押しするには「核の傘」の問題を避けては通れない。日本周辺には、軍備増強する中国、北朝鮮の核問題という現実がある。日本は、核廃絶への道筋とそこへ至るまでの核兵器の役割などの大きな戦略について、米国との対話を深めるべきである。
 核不拡散の態勢をどう立て直すかも急務だ。来年、ニューヨークで開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議は当面の大きなヤマ場となる。そこで、日豪共催の形で設けられた「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」を活かしたい。世界の有識者15人によるこの委員会は10月、広島での会合で提言の大枠をまとめる。米国はこの提言を活かし、再検討会議でNPTの信頼回復の先頭に立ってほしい。
 「非核の日本」という看板は、強力なソフトパワーだ。これで廃絶への国際連帯への和を広げられれば、オバマ氏の後押しになる。だが、逆にオバマ大統領の意気込みが不発に終わると、核軍縮は冬の時代に逆戻りするかもしれない。被爆者の高齢化も進む中、日本の非核外交にとってオバマ時代が勝負の時である。

スポンサードリンク