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2009/2/23 朝日新聞       社説  景観の価値  「景観」に価値を認めた景観法が施行されて5年。その趣旨は生かされるのか。  舞台は広島県福山市の鞆の浦。近世の港を特徴付ける施設が残っている。広島県と福山市は、ここに町中の渋滞解消のためのバイパスを築く計画を進めている。現在、知事が埋め立ての認可を国交省に求めており、認められれば開発は進みだす。  生活の利便性を求める声はよくわかる。だが、貴重な景観を壊すことに見合うだけの必要性があるか疑問だ。この海域は、環境保全の観点から瀬戸内法で「埋め立ては厳に抑制すべきだ」とされる。山側にトンネルを掘る代替案も住民から提出されている。  効率を優先するあまり、各地の景観は個性を失った。その反省から景観法はできたが、自治体が規制する地域を定めないことには強制力が無い。鞆は、その地域に指定されておらず、埋め立ての認可が開発の鍵を握る。広島県知事には、景観法の趣旨を踏まえ将来に悔いを残さない解決策を求めたい。

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