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2009/2/20 朝日新聞     社説  医師研修見直し


 厚生労働省と文部科学省の合同検討会が、医師免許をとった新人医師に義務付けられている臨床研修制度の見直し案をまとめた。
 今は2年間に7つの診療科で学んでいるのを、内科、救急、地域医療の必修にとどめ、残りは選択制で2年目から専門分野に進めるようにした。さらに都道府県ごとに研修医募集の枠を設け、大学病院に優先的に配分する。
 ことの背景には、現行の研修制度で研修先を自由に選べるようになって以来、出身大学に残る研修医が減少したことがある。そこで今一度、大学病院の医師派遣機能を立て直そうというのだ。
 しかし、今の研修制度は、臨床研究が専門分野に偏りがちだったという反省から、幅広い診療能力を持つ医師を育てようと始まったものだ。医師不足解消の名のもとに、肝心の医師の質が下がってしまったのでは本末転倒ではないか。今急ぐべきは、臨床研修を終えた後の専門医の育て方や医師の配置の仕組みについての議論であろう。


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