ブログネタ
海外ニュース2 に参加中!
2008/12/16 朝日新聞     社説  タイ新首相


 タイでタクシン派から反タクシン派へ、政治の振り子が大きく揺れた。
 今月初めから続いた連立政権交渉で、タクシン元首相と対立してきた野党民主党が多数派工作に成功し、下院はアピシット民主党党首を新首相に選んだ。
 タイでは、農民や貧困層が支持するタクシン派と、中間層や富裕層、既得権でつながるビジネス層が支える反タクシン派との激しい政治対立が続いてきた。互いの敵対心は社会を2分するまでに広がっている。新首相は何よりもまず、この対立と憎悪を解消する手を打ち、国民和解を通じて政治の安定を取り戻さなければならない。
 ただ新首相の選出には軍部が背後で動いたため、政権に十分な正統性があるとは言い難く、道は険しい。
 国際社会のタイへの信頼はすでに大きく損なわれている。タイが内外の信頼を回復し、1日も早く混迷から抜け出すことを期待する。

スポンサードリンク