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2008/12/3 朝日新聞     社説  景気失速


 日本の景気が失速しつつある。先導役は、世界的な金融危機で輸出に打撃を受けた自動車産業だ。
 雇用悪化は景気より遅れるのがふつうだが、今回はタイムラグがない。非正規雇用が全体の3分の1を占めるという構造変化がその理由だ。雇用の縮小は個人消費を悪化させる。特に今は、生産の縮小、雇用の悪化、消費の縮小という負の連鎖が加速しているようだ。
 実体経済の縮小が、世界的危機で緊張状態にあった金融市場を一段と縮み上がらせ、銀行が融資を渋り、資金繰り難による倒産が広がる恐れが出てきた。
 そこで日銀が動いた。日銀が銀行へ貸し出すとき、信用度の低い社債や貸出債権も担保にできるよう改めたのだ。10月末に政策金利を引き下げ、これ以上金利は下げられない中での新たな工夫といえる。
 このような経済情勢で、首相は景気対策を盛り込んだ第2次補正予算案の提出を見送った。政治の混迷までもが、経済の不安心理に拍車をかけている。


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