今日の朝日新聞社説-要約-

朝日新聞社説の要約です。忙しいあなたなら3分で読める今日の社説。受験生のあなたには要約のススメ。

2013年11月

遺族年金判決 -- 性別格差を正すときだ

2013 11/28(木)  『遺族年金判決 -- 性別格差を正すときだ』

 地方公務員が業務上の災害で亡くなると、夫は55歳以上でないと遺族年金を受ける権利がないが、妻にはそんな制限はない。その法律の規定について、大阪地裁が憲法違反で無効だとする判決を出した。

 「夫は外で働き、妻は専業主婦」。それがふつうだった昔の考え方に基づいており、もはや合理性がないと判断した。時代の流れに沿った当然の判断と言える。

 地方公務員だけでなく、民間労働者の労災保険や国会公務員の災害補償精度にも同様の規定がある。国は判決を受け入れ、法の改正を急ぐべきだ。

 一方、改善の動きもないではない。母子家庭のみが支給対象だった国民の遺族基礎年金は来春から、児童扶養手当は3年前から父子家庭にも支給されている。

 今でも女性の平均経済力の方が低いのも確かだが、雇用形態や家庭のありようが急激に変わったいま、年金など社会保障について「男か女か」で一様に差をつけることはもはや時代遅れの発想である。


*チェックポイント

・遺族年金の受給資格に関する大阪地裁の判決

・時代の流れに沿った当然の判断(#)

・国は法改正を急ぐべし

・改善の動き

・まとめ:性別で一様に差をつけることの不合理性

社説中、中段の雇用の変化や憲法の内容は(#)の部分を細かく説明したことになり、内容として重複するので「改善の動きもある」ということを入れた方がいいと思われる。
制限文字数がもっと少なければ、譲歩の部分である「改善〜」を入れるスペースはない。

秘密保護法案 -- 欠陥法案は返品を

2013 11/28(木)  秘密保護法案 --- 欠陥法案は返品を

 衆院でのわずか2時間の修正案の議論ののち、特定秘密保護法案の審議がきのう参院で始まった。

 与党側は、実質8日間しか残っていない会期末までの成立をめざす。このまま数の力で成立させれば、参院は衆院のコピーでしかない。本当にそれでいいのか。

 参院は、まがりなりにも「良識の府」「再考の府」と言われ、特に参院自民党は、参院の独自性を強調し衆院への対抗意識を燃やしてきた。

 参院が指摘すべき難点はいくらでもある。「第三者機関」の要員や権限、今後の見通しが曖昧な点。秘密指定の権限をもつ行政機関の多さ。知る権利を保証する議論の不足。

 米国などとの情報交換のために秘密保護法制が必要と言われているが、いまでも重要情報は日本に伝えられている。また国会安全保障会議の発足に合わせて秘密保護法制の整備を急ぐとすれば、本末転倒ではないか。

 特定秘密保護法案は民主主義の根幹にかかわる。参院で一から考え直すべきだ。


*チェックポイント

・衆院での短い議論ののち、参院での審議開始

・参院は衆院のコピー → それでいいのか?(疑問提示)

・参院のこれまでの態度、評価(参院を煽るための内容)

・修正案の問題点(ここは具体例を入れないと、説明責任を果たした事にならない。)

・与党が法案の成立を急ぐ裏事情とその実体
 1:米国との外交上の問題
 2:国会安全保障会議の設置法との足並み合わせ

・著者の主張:「参院で一から考え直すべき」

過疎と観光 -- セトゲイの成功に学ぶ

2013 11/ 25(月)  『過疎と観光 -- セトゲイの成功に学ぶ』

 瀬戸内の離島を舞台に開かれた「瀬戸内国際芸術祭(セトゲイ:愛称)」が盛況のなか4日に閉幕した。

 都会から観光客を呼ぼうと苦闘を続けた地方の歴史は「ないものをつくる」ことに集中していた。追加投資で新しさを演出し続けないと飽きられるため、次々に倒れた。

 なぜセトゲイは成功したのか。

 一つは「あるものを生かす」発想に立ったことだ。離島は、効率化、均質化された現代社会とは対局の場所であり、近代の負の歴史を背負わされた島もある。それでも人々は自然の恵みを受けつつ、たくましく生きている。かつての日本の風景に触れ、我々が求めた過度な豊かさや情報と幸福の関係を、改めて振り返らせてくれる。

 アートは手がかかり、損得ぬきで力を合わせないと完成しない。あてにされ、人とつながることが笑顔を育て、祭りを盛り上げる力となった。

 過疎地での観光に成功したセトゲイに学びたい。



*チェックポイント

・瀬戸内芸術祭の盛況さ

・都会からの集客で苦闘する地方の歴史 -- 「ないものをつくる」

・セトゲイの成功
 1:「あるものを生かす」
 2:人同士のつながり -- 祭りを盛り上げる力
・まとめの一文(社説本文の最後を用いても良い。「事業費は〜」の所。)

 ↑これがあった方が文章が締まる。(情報量としては変わらないので、その意味ではなくても良いのかもしれないが、文字数に余分があれば入れたい。)

日欧経済連携 -- TPPと両にらみで

2013 11/ 25(月)  『日欧経済連携 — TPPと両にらみで』

 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)について、双方の首脳が協議を加速させることで合意した。

 経済連携では、米国が主導する環太平洋経済連携協定(TPP)に関心が集まるが、5億人の市場と日本の3倍の域内総生産を持つEUとの関係強化も欠かせない。EUは2年前に韓国との間で自由貿易協定(FTA)を発行させ、自動車などの関税をおおむね2016年までに撤廃する。韓国と比べて日本のメーカーが不利になる状況を放置してはいられない。

 EUが最近合意したカナダとのFTAでは、関税をゼロとする割合(自由化率)が全品目では100%近く、「高い水準」の自由化をめざす姿勢が鮮明である。

 米国とEUは環大西洋貿易投資の交渉を進めている。両者だけで事実上の世界のルールが決まる事態を避けるためにも、米欧の双方としっかり向き合う必要がある。政府はTPPとの両にらみで、粘り強く交渉してほしい。


*チェックポイント

・日欧EPAにおける協議加速の合意(社説のきっかけ)

・EUとの協議に注目する理由
 → 1:EUの市場規模
   2:韓国とのFTAの締結に遅れをとらぬように

・EUとの交渉の現状(上の3段落目に相当。ここはかなり自由度があるので、文字数とまとめやすさの兼ね合いで決めると良い。「高い水準」を目指しているという点が書きやすかったので入れた。)

・米欧の双方に向き合うこと — TPPとの両にらみ

余談:略語(EU,EPA,…)の使用について
 → 初めて使う時は日本語表記の後、略語を括弧で記すと書きやすい。2回
   目の使用予定が無い時は、清書の中で一々略語を書かなくてよい。
   入れるかどうかは、草稿の段階で判断すべし。

一票の格差 -- 「違憲の府」の異様さ

2013/11 / 21  『一票の格差 -- 「違憲の府」の異様さ』

 最高裁の判断が「違憲状態」にとどまったからといって、一票の格差是正の取り組みを緩めていいとはならない。最高裁が廃止を求めた「1人別枠方式」を実質的に温存したまま、定数の微調整でお茶を濁すのはもはや限界である。国会は抜本改革から逃れられないところに来ている。

 「違憲の府」とされた以上、衆院を解散するのが筋だが、いま選挙しても違憲訴訟の繰り返しであり改革を急がねばならない。自らできないのなら潔く第三者の手に委ねるべきだ。

 ねじれが解消し、自民党の1強状態となった国会は暴走気味である。婚外子の相続差別に対する最高裁の違憲判決に異論が噴出し、特定秘密保護法案の審議が進むなか、首相は集団的自衛権の行使を解釈改憲によって認めようとしている。

 違憲状態の選挙によって選ばれた議員が、憲法をないがしろにする議論を公然とくり広げる異様な事態だ。このうえ格差是正を放置するというなら、法の支配の根幹が崩れる。



要約*チェックポイント

  今回の文章は、通常の社説と異なり、一つ上の社説をうけてのものである。
 よって、要約の書き方も通常と多少異なる。
 一方で、要約するということには変わりはないので、重要なところを取り出してまとめれば良い。

  最も重要な文は、「違憲状態の選挙によって選ばれた議員が、
 憲法をないがしろにする議論を公然とくり広げる。異様な事態だ。」であろう。

 というのもタイトルに“「違憲の府」の異様さ”とあるように、
 違憲状態の政府が異様な行為に及んでいることを書きたいはず。
 (タイトルも一つのヒントになるので活用すること。)

 これを核に

 ・違憲状態の選挙とはどういうことか? 
   →  一票の格差と絡めて著者の主張
     (抜本改革の必要性、できないなら第三 者の手に委ねる)を述べる。

 ・憲法をないがしろにする議論とは何か?
  (ここは具体例を入れた方が説明しやすい。)

 を書けば良い。

一票の格差 -- 司法の役割はどこへ

2013/11 / 21  『一票の格差 -- 司法の役割はどこへ』

 「一票の格差」問題をめぐり最高裁はきのう、2年前に出した「違憲状態」にとどめる判断を繰り返した。

 問題になったのは、議席をまず都道府県に1つずつ割り振る「1人別枠方式」だ。最高裁は前回、これが格差の主因だとして廃止を求めた。だが、国会は1人別枠を残したまま定数のみを変更した。

 不可解なのは、最高裁が今回、1人別枠の問題は解決されていないとしつつ、そんな国会を許容したことだ。

 国会は、国民の意思を正しく反映して選ばれた機関でなければならない。有権者一人ひとりの票の重みに開きがあれば、国会はまっとうな代表とはいえない。まして選挙制度は、国会議員と国民との利益が直接対立する問題だ。

 このような局面では、司法がふだんより前に出て、ものを言う必要がある。最高裁は一歩踏み出して、「違憲」と断じるべきだった。でなければ三権分立がうまく機能せず、司法への信頼は揺らいでしまう。



要約*チェックポイント

 「一票の格差」など既に周知され、用いられている言葉は説明なしで用いて
  よい。括弧等が付いている場合は、そのまま用いるのが良い。
  但し、著者が初めて定義した言葉ならば要約の中でも説明する必要あり。
  → 社説では気にしなくてよい。(論説文では出てきうる)

・最高裁の判決(今回の社説のきっかけ)

・何が問題か? →  国会が問題を放置した点、国会のあるべき姿が体現されて
             いない点

・著者の主張 →  司法が前に出て主張すべき(「違憲」と断じる必要性)

JR北海道 -- 早く経営の刷新を

2013/11/18   JR北海道 -- 早く経営の刷新を

 JR北海道の保線部署で、レール幅の検査値が改ざんされていたことがわかった。国の特別保安監査が入る直前で、異常を指摘されるのを避けるためだったとみられる。現場社員が、何をおいても守るべき安全より会社の対面を優先したのであれば、もはや公共輸送を担う資格は無い。

 さらに深刻なのが、JR北の経営陣が、事態に対処する能力を明らかに失っていることだ。保線業務の改善策を検討する外部専門家の委員会を設ける方針が立てられたが、レール異常の放置が発覚して2ヶ月たつのに、いまだ発足していない。

 経営の構造から社員のモラルまで、多くの分野に精通した外部専門家を集め、社内の問題点を徹底的に洗い直すべきであり、社内の人心一新は避けられない。

 経営基盤が弱いJR北は今も事実上の国有企業である。禍根を残さないよう、国がもっと前に出て、一刻も早く経営陣を刷新すべきである。



要約*チェックポイント

下の内容が自分の言葉でまとめられていれば良い。但し、自分の言葉で書く とはいえ、
自分の意見(ちょっとした言葉のニュアンスの違い)を入れないこと

・レール幅の検査値の改ざんの発覚(この社説を書くきっかけ)

・背景に何があったか?

・それがなぜ問題なのか?

・より深刻な内容 → 経営陣の対処能力不足

・公共放送の所でも書いたが、これまでの内容は余力があれば書く。
 (これまでの様々な不祥事。 → 病根はつながっているということで触れても良いかも。)

・社説の著者が「誰に」「何を」求めているか? → 外部専門家の必要性、国への提言




公共放送 -- 政治では変えられない

2013/11/18 朝日新聞 社説  公共放送 -- 政治では変えられない

 NHK経営委員の5人の顔ぶれが代わった。新任の4人はいずれも安倍首相と近い間柄である。安倍色の濃い人事に野党から反発が上がった。

 経営委はNHKの経営をチェックするとともに、現場のトップである会長の任命権をもつ。定数12の経営委員のうち9人以上の賛成がないと会長には就任できない。

 最近のNHK報道が原発やオスプレイの問題で反対の法に偏っているとの不満がくすぶる。そんな折の人事であり、公共放送への政治介入が疑われかねない。

 NHKトップには、政治左右されない不偏不党の公共放送となるべく、現場環境を整えるリーダーシップが求められる。

 一方、経営委員について、放送法は「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者」を、衆参両院の同意を得て首相が任命すると定めている。彼らの良識が発揮される事を期待する。

 放送現場や視聴者の支持を抜きにして、公共放送を変えることはできない。



要約*チェックポイント

細かいところまで一字一句一緒にする必要は無い。

・5人の人事変更(社説を書くきっかけとなった事件、事実)

・4人は安倍首相に近い(人数を書くこと、名前はいれなくてもよい。)

・経営委のルール。特に会長任命権に対する12人中9人という数字。

・最近の報道の状況、予想される問題点
 (なぜ安倍色が濃いと問題なのか? → それに対する回答)

・これまでの内容(以前の不祥事)はそこまで触れなくてよい。
 但し、一つ上で書いたように直近の理由、状況はあった方が良い。

・社説の著者が「誰に」「何を」期待しているか? → これ を書く。
 (ここが、もっとも言いたい事でもある。)

・後は最後のまとめ(言いたい事を一言でまとめたもの。これがあると文章が
 すっきりする)

お知らせ

要約の更新を続けられなくなって大分たちます。

受験シーズンたけなわとなりまして、また再開しようと思います。

今回は月曜日と木曜日の社説を要約していきたいと思います。
さらに、要約するに当たっての押さえるべきポイントを追記しておきます。

要約は文章を理解するに当たりとても良い訓練のひとつです。

また、新聞の社説を題材にしているのは、
自身がこれから担う若い世代に、社会をもっと知ってもらいたいことがひとつと
文系受験や就職試験に直結する内容であろう、という点からです。

取るべきモノ、捨てるべきモノをはっきり読み取り
作者の伝えたかったであろうことを正確に伝える訓練を積んで下さい。

ここに載せてある要約は、ひとつの模範解答です。
おおむね同じようなモノができあがればまず良し、です。

さらに追求したい向きは、
ここに書かれてある要約がなぜ自分の読みの理解と違っていたのか
じっくりと読み直し、かつ納得のいかない場合はコメントして下さい。



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