2009/3/31 朝日新聞 社説 公文書法案
経済危機への対応や違法献金疑惑で永田町が揺れる中で、埋もれかかっている懸案がある。政府の公文書管理のルール作りだ。
政策の作成や、その実施について国会議員や有識者が調べようにも、書類が手に入らないことが往々にしてある。
これを改めようと、政府が今国会に出した法案は、まず意思決定過程などで文書をきちんと作成するよう省庁に義務付け、統一ルールの下にそれを管理するとしている。
だが、保存すべき「行政文書」の定義から職員のメモなどが除かれており、ルール通りに運用されているかを監視する内閣府の体制も十分とは思えない。
民主党はこれに対して批判を強めているが、基本的な考え方に大差はない。そこで、今国会でルール作りの第一歩を踏み出すべく、与党の修正を協議し、成立させてはどうか。地味な法案ではあるが、この改革が実現すれば霞ヶ関の透明度はぐっと高まる。日本の民主主義にとってこれは必要な改革である。
経済危機への対応や違法献金疑惑で永田町が揺れる中で、埋もれかかっている懸案がある。政府の公文書管理のルール作りだ。
政策の作成や、その実施について国会議員や有識者が調べようにも、書類が手に入らないことが往々にしてある。
これを改めようと、政府が今国会に出した法案は、まず意思決定過程などで文書をきちんと作成するよう省庁に義務付け、統一ルールの下にそれを管理するとしている。
だが、保存すべき「行政文書」の定義から職員のメモなどが除かれており、ルール通りに運用されているかを監視する内閣府の体制も十分とは思えない。
民主党はこれに対して批判を強めているが、基本的な考え方に大差はない。そこで、今国会でルール作りの第一歩を踏み出すべく、与党の修正を協議し、成立させてはどうか。地味な法案ではあるが、この改革が実現すれば霞ヶ関の透明度はぐっと高まる。日本の民主主義にとってこれは必要な改革である。