今日の朝日新聞社説-要約-

朝日新聞社説の要約です。忙しいあなたなら3分で読める今日の社説。受験生のあなたには要約のススメ。

2008年11月

不況と温暖化

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2008/11/25 朝日新聞      社説  不況と温暖化


 世界はいま、100年に1度とも言われる経済危機に直面しており、不況から脱出するのが最優先だ。そこで米国のオバマ次期大統領は新たな発想で不況に挑もうとしている。
 道路やダムを作る従来型の公共事業ではなく、脱温暖化ビジネスを広げていくことで雇用を生み、環境と経済の両方の危機を同時に克服する、というのだ。その意味で、オバマ氏の政策は「グリーン・ニューディール」と呼ばれ、環境への投資で危機を打開したいという期待がこもる。
 温暖化防止のための様々な取り組みに対して、「経済成長を妨げる」として背を向けたブッシュ路線からの180度の転換である。世界最大の二酸化炭素排出国が「チェンジ」を決断すれば、13年以降の排出削減の枠組みを作る国際交渉に弾みがつく。
 いまや米国にとどまらず、世界各国がグリーン・ニューディールを実践する時代に入ったといえる。先進諸国が低炭素化と経済成長を両立させる政策に乗り出し、経済が拡大する中国やインドなどの新興国や途上国にも同様の政策をとるよう促し、支援していくべきだ。
 オバマ政権の米国がこの流れを加速させれば、遠からず、低炭素型の産業構造が世界標準となろう。新たなビジネス環境の下で、各国の企業は低炭素むけの技術開発を競うことになろう。
 日本では先月、二酸化炭素の国内排出枠取引の試行に参加する企業の募集が始まった。だが「企業活動の妨げになる」と反対する産業界に妥協したため強制力に乏しく、実効性に疑問符がつく。
 先進国はどこも経済が成熟し、成長のタネを見つけにくくなった。脱炭素は経済の制約どころか貴重なビジネスチャンスとなろう。日本の環境・エネルギー技術は世界トップレベルで、「チェンジ」の試みも数多い。足りないのは、それを促し後押しする仕組みである。
 不況の荒波が予想される中では勇気がいるが、低炭素を競う時代の到来を見越して、政府は先頭に立って後押ししてほしい。

裁判員制度

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2008/11/24 朝日新聞      社説  裁判員制度


 くじで選ばれた市民がプロの裁判官と一緒に重大事件を裁く裁判員制度の開始まであと半年。それに向けて、候補者に選ばれたことを知らせる便りが、有権者に届き始める。
 これまでの日本の刑事裁判は、こと細かな証拠調べが延々と続く「精密司法」といわれる。一方で、法廷での証言よりも捜査段階での取調室での自白調書が重視されがちで、「調書裁判」と批判されてきた。自白偏重の結果、人生を踏みにじられた人があとを絶たず、刑事裁判を法廷での証言をめぐるやり取りを中心とした本来の姿に戻す必要があった。そこで導入されたのが、裁判員制度だ。
 とはいえ、いざ裁判員に選ばれると「荷が重い」としり込みしてしまう人もいよう。しかし考えてみれば、素人の有権者に求められているのは、市民の常識を裁判に反映させることだ。生活感覚や社会経験に基づく意見や疑問を率直に述べ、納得のいくまでとことん尋ねるという姿勢で望みたいところだ。

元次官宅襲撃

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2008/11/24 朝日新聞      社説  元次官宅襲撃


 元厚生事務次官の家が相次いで襲われ、3人が殺傷された衝撃的な事件が急展開を見せた。「事務次官を殺した」と言って、軽自動車で警視庁に乗りつけた46歳の逮捕である。
 襲撃事件が本当にこの男の犯行なのか。断定はされてないが、警察はかかわりが深いと見ている。
 それにしても、明らかになってきた男の言動はあまりにも突拍子もなく、理解しがたいところがある。
 調べの中で「保健所にペットを処分されて腹が立った」との話をしたようだ。確かに、男が山口県で過ごした子どものころ、それに近い出来事はあったという。だが、遠い昔の話がなぜ今、噴き出してくるのか。
 動機ともいえない動機。退任して久しい2人の次官の住所をわざわざ調べ、宅配便の配達員を装うような計画性。3人を死傷させた結果の重大性と社会に与えた衝撃。今のところ事件がしっくりつながらない。
 世の中の不安を解消するためにも、事件の背景を明らかにする必要がある。

WTO交渉再開

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2008/11/23 朝日新聞     社説  WTO交渉再開


 世界貿易機関(WTO)の多角的貿易交渉は、今年の夏に交渉が決裂して「仮死状態」に陥ったといわれたが、今、交渉再開が検討されている。
 首相たちを前向きにさせたのは、米国から始まった経済の大混乱に対する強い危機感だ。世界同時不況から、保護貿易に走る国が出てきかねない。
 思い起こせば、1930年代の大恐慌のさなか、各国がブロック経済に走った結果が第2次世界大戦だった。この悪夢を再現させないよう、保護貿易の台頭は絶対に食い止めなければならない。
 合意寸前の7月の閣僚交渉が決裂したのは、米国とインド、中国が緊急輸入制限の発動条件をめぐって対立したからだ。交渉再開でもこの点が難航するかもしれない。だが、逆に多くの首脳が危機意識を共有している今こそ、合意する絶好の機会だともいえる。
 保護主義を封じ、「金融の収縮」が「実体経済の収縮」へと波及する負の連鎖をとめる。合意を実現させて、その出発点にしたい。

元次官殺傷

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2008/11/23 朝日新聞     社説  元次官殺傷


 「おれが事務次官を殺した」。そういって東京・桜田門の警視庁に男が車で乗り付けてきた。元厚生事務次官らの自宅が襲撃された衝撃的な事件が発覚して4日。事態が大きく動き出した。
 男は「さいたま市の46歳」と名乗っている。出頭したとき数本の刃物を持っており、乗ってきた車には血痕のようなものがあったという。警視庁は銃刀法違反の疑いで逮捕する方針だ。
 この男が本当に元次官らを襲ったのかどうか。警察当局は、その確認を急がなければならない。
 もと次官らがかかわっていた厚生労働省の仕事に何らかのうらみがあったのか。それともまったく別の動機なのだろうか。知りたいこと、知らなければならないことはいくらでもある。
 政治、経済、社会、いずれも先行きが見えない今の日本社会の中で、この事件が与えた衝撃は非常に大きい。こんな事件が2度と起こらないよう、警察には事件の全容の解明を急いでもらいたい。

海賊対策

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2008/11/22 朝日新聞    社説  海賊対策


 アフリカ東部の国ソマリアの周辺海域で、海賊が各国のタンカーや貨物船などを襲う事件が頻発し、被害が深刻になっている。
 この海域はスエズ運河を経由して中東、アジアと地中海、欧州を結ぶ海上交通の要路にあたる。
 90年代初めから内戦が激化したソマリアでは無政府状態が続き、海賊を取り締まる当局そのものが存在しない。様々な武装勢力が資金集めで海賊行為を働いていると見られる。
 この事態をうけ、国連安保理は海賊対策のため軍艦や軍用機を派遣するよう国際社会に呼びかける決議を採択した。
 日本はマラッカ海峡の海賊対策で国際協力の実績がある。海賊対策に限定した海上自衛隊の派遣も検討されている。過去の経験を生かして具体的な支援策を出してもらいたい。
 しかし、これらの対策はあくまで対症療法でしかない。根本的な解決は、ソマリアの内戦を終わらせ、統治力のある政府を作り出すことだ。再建に向けた支援を強化する必要がある。

子どもの暴力

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2008/11/22 朝日新聞    社説  子どもの暴力


 全国の小中高校が07年度に確認した子どもの暴力行為が、5万5千件を超え過去最多なったという。いじめも10万件にぼる。
 背景には、爆発しやすい子どもたちの姿がある。そんな子どもたちについて文科省は、自分を抑える力が弱いことや友達と付き合うことが苦手なことを理由として挙げている。
 テレビゲーム、パソコン、携帯電話。子どもの周りにはかつてなかった仮想社会が広がっている。生身の人と接することで自然に鍛えられた心の耐久力が弱まっていることは確かにあるだろう。
 事態の収拾には、なにより家庭の役割が重要なのではないか。
 荒れる子どもに共通しているのは、日ごろからいら立ちやストレスを感じていることだという。特に、親による勉強へのプレッシャーなどが原因となっている例が目立つようだ。自分の子どもは日々何にいら立っているのか、最新の注意を払う必要があろう。

干潟開発の判決

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2008/11/21 朝日新聞       社説  干潟開発の判決


 沖縄本島中部の沖縄市沖に広がり、南西諸島で最大といわれる泡瀬干潟の埋め立てに「待った」がかかった。沖縄県と市による大規模な海浜開発事業への公金の支出が、那覇地裁で差し止められたのだ。
 沖縄市長は昨年12月、環境などへの影響を理由に規模縮小の方針を打ち出した。だが、縮小案の具体的な土地利用計画が示されず、経済的に理にかなっていない。公金の支出は無駄な支出を禁じた地方自治法などに違反する。それが裁判所の判断だ。
 企業誘致など土地利用の十分な見通しがないまま埋め立てた結果、土地を塩漬けにしてしまった例は数多くある。先を見越して、将来の公金支出に歯止めをかけた裁判所の判断は高く評価できる。
 干潟の本格的な埋め立て工事は来年1月からだ。いまならまだ傷は深くない。判決を機に、開発計画を潔く断念すべきだ。
 無駄な巨大公共事業は大胆に見直すべき時代が来たことを、国や自治体の首長は自覚すべきである。

麻生首相

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麻生太郎 に参加中!
2008/11/21 朝日新聞       社説  麻生首相


 最近の麻生首相の発言の迷走ぶりは見過ごせない。
 一昨日、地方の意思確保の難しさに関連して、首相はこう述べた。「(医師は)社会的常識がかなり欠落している人が多い。価値観なんかが違う」これでは過酷な長時間労働に耐えている病院の勤務医や地域医療に携わる医師たちに失礼だろう。
 また2兆円もの税金を投入する定額給付金をめぐる発言でもふらつき、政府与党を巻き込んだ大混乱となった。
 こうした重要な政策の方向性が、政府のトップである首相の発言で混迷するのは、「口が滑った」程度の話とは全く違う。誰が政策作りを主導しているのか、首相は最高責任者ではないのか。そんな深刻な疑問を抱かざるを得ない。
 自民党は、2代続けて首相が政権を放り出し、なおも世論調査などで「人気」にすがって麻生氏を後継に選んだ。そうした政権延命の手法の行き詰まりを思わせる事態である。
 首相はよほどの覚悟がない限り、乗り切るのは難しいだろう。

麻生首相

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国会 に参加中!
2008/11/20 朝日新聞     社説  麻生首相


 国会の混迷は深まるばかりだ。
 政府が第2次補正予算を国会に出さないなら、補給支援特措法と金融機能強化法の改正案採決に応じない。民主党がそうこぶしを振り上げた。対する与党も態度を硬化させ、2次補正は来年の審議に回し、2つの法案は会期を延長し、「60日ルール」で再可決する腹積もりだ。
 何とも不毛なにらみ合いである。いくら会期を延長しても、実質的な「政治空白」が生じるだけだ。
 この政治混乱の責任は首相が負わねばならない。一時は解散を決意していたのに、金融危機や与党に勝算がないことからずるずる決断を先送りしてきた。景気優先を理由に解散先送りを唱えたのに、第2次補正予算を先送りすれば、首相が懸念する「年度末の企業の資金繰り難」に間に合わない可能性がある。これは筋の通らぬ話だ。
 首相は勇気をもって与党を説得し、堂々と第2次補正を出すべきだ。これも先延ばしでは、国民の審判から逃げているとしかいえない。


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