2008/9/19 朝日新聞 社説 ドル資金供給
米国発の金融危機により、世界中でドル資金の調達が困難になっている。その事態を改善すべく、米国、欧州、英国、スイス、カナダ、そして日本の中央銀行が連携してドル供給に乗りだした。日銀のドル供給は史上初であり、事態の深刻さを裏付けている。
供給措置は年始年末にドル資金が不足する事態を回避する狙いがある。大手証券リーマン・ブラザーズや大手保険AIGにとどまらず、他の金融機関までもが破綻してしまったときに備えた予防的措置の側面が強いようだ。
確かに米国の対応は行き当たりばったりの観が否めないが、危機のゴールが見えない中では、金融機関に自助努力を強制し、生き詰まった会社を整理するというケース・バイ・ケースの対応をせざるを得ないだろう。
大切なのは、スピード感を持って時々の判断を下し、必要な措置を総動員することだ。日本の当局、ならびに各国の当局は、金融システムを守るために万全の態勢で臨んでもらいたい。
米国発の金融危機により、世界中でドル資金の調達が困難になっている。その事態を改善すべく、米国、欧州、英国、スイス、カナダ、そして日本の中央銀行が連携してドル供給に乗りだした。日銀のドル供給は史上初であり、事態の深刻さを裏付けている。
供給措置は年始年末にドル資金が不足する事態を回避する狙いがある。大手証券リーマン・ブラザーズや大手保険AIGにとどまらず、他の金融機関までもが破綻してしまったときに備えた予防的措置の側面が強いようだ。
確かに米国の対応は行き当たりばったりの観が否めないが、危機のゴールが見えない中では、金融機関に自助努力を強制し、生き詰まった会社を整理するというケース・バイ・ケースの対応をせざるを得ないだろう。
大切なのは、スピード感を持って時々の判断を下し、必要な措置を総動員することだ。日本の当局、ならびに各国の当局は、金融システムを守るために万全の態勢で臨んでもらいたい。