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2008/11/17 朝日新聞     社説  G20緊急サミット


 世界経済の8割余を構成する20カ国・地域(G20)の首脳がワシントンに集まり、金融危機と世界同時不況を克服する打開策を話し合った。
 議長のブッシュ大統領が読み上げた共同宣言は、危機の原因について「いくつかの先進国の当局はリスクを適切に評価せず、金融の技術革新についていけなかった」と総括した。
 振り返れば、世界大恐慌のさなかの1939年にロンドンで世界経済会議が開かれ、世界中の期待が集まったが、会議は延々と続いた。世界はその後、分裂とブロック経済化への道を歩み、そのあげくが、第二次世界大戦だった。
 今回のG20サミットが、75年前のロンドンの再現とならず、とにかく合意できる最大公約数だけでも世界へ示すことができた意義は大きい。ただ各国の考えには隔たりのある課題も少なくない。G20を、今後も国際協調に欠かせないものにするには、この点の克服にかかっていることを押さえたい。
 中でも、IMF改革をまず急がなければならない。世界的にマネーが縮小するなか、中小国が取り残されて資金繰りに窮しないよう、強化を急ぐ必要がある。
 そしてもう一つ大きな課題が、国際的な金融監督・規制の立て直しだ。国境を超えて活動する金融機関を監視する枠組み作りなどで合意したが、その具体策では先進国間にも意見の違いがある。とはいえ、規制・監督強化へ大きく方向転換することは、すでに固まっている。危機の鎮火に努め、再発防止に腰をすえて議論することが大切だろう。
 世界的な危機が起こるたびに新たな国際的な枠組みが作られてきた。冷戦終結後の「米国一極支配」が、イラク侵攻でのつまずきと金融危機で崩れつつある。世界秩序の動揺を乗り切るために登場したのがG20体制だといえよう。
 活力の衰えた先進国は、新興国の成長力特に、中国を中心とするアジアの成長力に期待せざるを得ない。アジアを再び成長軌道に乗せることが世界に対する貢献となる。

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