2013 12/2(月)  『秘密保護法案 -- 裁きを免れる「秘密」』

 特定秘密保護法案には、裁判の公正さの観点からも、大きな懸念がある。

 国会の審議で政府は、裁判での争点である、「特定秘密」と定めた内容を具体的に明らかにする必要はないと説明した。秘密の種類、性質、秘密指定の理由などを示せば、秘密に値する事は立証できるというのだ。

 しかし、秘密指定について第三者のチェックがないしくみでは、本来、秘密にするのが適当でない情報が含まれるおそれは強い。ある情報を漏らしたり取得したりした行為は、それが社会にもたらした損害と利益に照らして処罰が必要かどうか検討されるべきであり、そのためには情報の中身の吟味が不可欠である。

 歴史を振り返れば、秘密保護に伴う罰則のねらいは、違反者を有罪にすることより、むしろ政府が秘密にしたい情報に近づこうとする行為を威嚇し、萎縮させるところにあった。そのような性格が今回の法案に透けて見える。

 適正な刑事手続きにもたらす影響はあまりに大きい。



*チェックポイント

・特定保護法案には、裁判の公正さの観点で懸念あり。

・政府の主張 --- 「国会の審議〜立証できるというのだ。」の所。
(いきなりこの文を入れると、「秘密」の単語が浮いてしまうので多少説明を加えた。)

・秘密にするのが適切でない情報が含まれうる。社会への損害と利益に照らして判断する必要性。そのために
は情報の中身の吟味が必要。

・政府の意図を歴史に見る。
(様々なおそれの可能性の議論をするより、相手の意図を指摘する方が効果的。よって、要約では歴史の話を入れた。)

・まとめの文




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