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2008/9/23 朝日新聞         社説  麻生新総裁


 自民党の総裁選は予想通り、麻生太郎氏が圧勝した。明日新首相に就任し、麻生内閣が船出する。
 普段の自民党総裁選ならば、新政権の政策がどうなるかが関心の的になるはずだが、今回はまもなくあると予想される総選挙で「これで自民党は勝てるのか」ということが関心を呼んでいる。また本来ならば、新首相のもとでそれなりの実績を収めてからの解散・総選挙だが、今回は新政権への期待感が薄まらないうちに総選挙に打って出ようというのが与党内の大勢だ。普段とは二重の意味で様変わりの自民党総裁選である。この状況で、麻生氏が選挙を意識してひたすら景気対策を強調し、専ら民主党攻撃に明け暮れたのも当然だろう。
 総裁選で麻生氏が圧勝したのは、小泉氏が自民党を救ったときと同じ役回りを期待されてのことだろう。重要閣僚や党幹部を歴任した経験に加え、若者にも人気がある麻生氏だ。「選挙の顔」として期待されたのだろう。しかし強烈なメッセージを切り込んだ小泉氏に対し、消費税増税などの痛みを伴う改革は封印してしまうなど、本質的なところで違いがありそうである。
 社会に痛みを強いた小泉流からの脱却を目指すならそれもそれでいい。だが、景気対策の名の下に改革を先送りするだけでは、自民党が長年積み重ねてきた矛盾をそのままにしてしまうことになる。
 麻生氏が引き継ぐ自民党はかつて経験したことのない危機に立たされている。1年ほどの間に安倍、福田と2代の首相が政権を投げ出さざるを得なかったことがそれを象徴している。初代は鳩山首相以来の半世紀の間に矛盾が積もり、自民党はもはや耐用年数が過ぎたのではないだろうか。そんな批判が説得力を持って語られている。
 麻生氏が主張する景気対策にとどまらず、社会保障、行政の無駄など有権者の不安は尽きない。こうした不安や疑問に向き会わない限り、いくら「顔」を作り変えても自民党の再生はおぼつかないままだ。

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