今日の朝日新聞社説-要約-

朝日新聞社説の要約です。忙しいあなたなら3分で読める今日の社説。受験生のあなたには要約のススメ。

国立追悼施設 -- 首相が決断さえすれば

2014 2/3(月)  国立追悼施設 -- 首相が決断さえすれば

 日本と近隣諸国との間で、不信の連鎖が止まらない。

 具体的な行動を起こし、トゲを一本ずつ抜いていく必要がある。その第一歩として、首相に提案したい。靖国参拝はやめ、戦争で亡くなった軍人も民間人も等しく悼むための無宗教の施設を新設すると宣言してはどうか。

 首相は、新たな施設には「亡くなった方のご家族はお参りしないだろう」と否定的だ。だが、遺族も一様ではない。「靖国で会おう」との言葉を信じ込み非業の死を遂げたと悔やむ遺族。A級戦犯の前では手をあわせられない遺族。他の宗教を信じる遺族。その存在を知りながら、「英霊に尊崇の念を表すのは当然」と一色に塗りつぶす首相の姿勢は乱暴すぎないか。

 そこは、いろいろな思いをもつ遺族や、外国人の要人らに訪れてもらうための場だ。首相は新施設には「様々な意見があり、慎重に見極めたい」と語る。ならば「わだかまりなく追悼できる施設を」という声も真剣に検討してほしい。


*チェックポイント
・日本と近隣諸国との間の不信の連鎖
・現状打破の具体的な行動として、新施設の設置を提案
・首相の姿勢、及びそれに対する意見
・まとめ:首相に施設建設を迫る

グローバル化と教育 -- 共生の道開ける人材を

2014 1/30(木)  グローバル化と教育 -- 共生の道開ける人材を

 安倍政権と文部科学省が、グローバル化を見すえた教育を念頭に、今年に入って次々と改革を打ち出している。

 まず、教科書の検定基準などを改定した。また中学高校では、尖閣諸島について「領有権問題は存在しないことについて理解を深めさせる」と、領土問題への教科書の書き方や指導の指針を改めた。さらに、高校での日本史の必修化も検討している。あたかも、安倍政権への外交上の向かい風に立ち向かう盾として「国民の物語」を求めるかのようだ。

 だが、近隣との口論に勝つ人材づくりがグローバル化教育の目標ではあるまい。相手が自国の主張ばかり教えているから我々も、と政府の維持の張り合いを持ち込むようでは教育の視界を狭める。必要なのは今の論点を俯瞰して思考することではないか。

 たとえば、尖閣の領有権をめぐる我が国政府の見解は事実としてしっておくべきだろう。だが、「領有権問題は存在しない」と公理のように教えるよりも、領土と何か、なぜそれが国の摩擦をもたらすのか、考えさせる方が役立つ。

 また、そもそも1989年に高校の指導要領を改訂した際に世界史を必修にしたのは、高校で学ばないと世界史をほとんど知らないまま大人になってしまうからだ。カリキュラムがきつい中で日本史を必修にしようとすれば、世界史を必修から外すことになりかねない。グローバル化対応のはずが世界史感覚のない人を増やしたのでは本末転倒だ。それよりも、世界史と日本史を融合させ、近現代史を中心に世界の中の日本を学ばせることを検討すべきではないか。

 教育誌「教職研修」1月号に載った劇作家・平田オリザさんのインタビューは示唆に富む。日本が国を開くにあたって大切なのは、「わかりあえないということを出発点とする」ことだ、と指摘する。異なる国であれ民族であれ、分かり合えない者同士が共通点を見つけ、互いを高め合う共生の道を切り開く知恵を備えた人材こそを育みたい。

五輪組織委 -- 次世代見すえ新風を

2014 1/27(月)  五輪組織委 -- 次世代見すえ新風を

 2020年東京五輪・パラリンピックの組織委員会が発足した。

 会長に選ばれたのは、76歳の森喜朗元首相。実務を担う事務総長には、70歳の武藤敏郎・元財務次官が就いた。

 今回、日本オリンピック委員会をはじめスポーツ界は、人選の過程で、ほぼ蚊帳の外に置かれた。ビジネス感覚と国際生を兼ね備え、知名度も高い人材がスポーツ界になかなか見当たらない現実は直視せねばなるまい。

 一方で、五輪はできるだけ政治から切り離し、主役はスポーツとする。五輪憲章を貫く基本理念を、組織運営の礎としたい。まずは、世代間バランスを考えて、組織委の中核に大胆に若手を登用してはどうか。

 また、今回の組織委の役員12人が全員男性というのは時流にあわず、積極的に女性を登用すべきだ。

 平和の祭典を機に、日本と世界との交流の窓を広げ、次世代の人材を育てる。それは組織委の大きな役割であろう。


*チェックポイント
・2020年東京五輪・パラリンピックの組織委員会が発足
・会長と事務総長の名前
・スポーツ界が人選から漏れている
・五輪はできるだけ政治から切り離し、スポーツを主役とする五輪憲章の基本理念を運営の礎にしたい。
・女性の登用が必要
・まとめ:世界との交流を深め、次世代の人材を育てるのが組織委の役割

法人減税論議 -- いいとこ取りはダメだ

2014 1/27(月)  法人減税論議 -- いいとこ取りはダメだ

 安倍首相が、法人税率の引き下げに意欲を見せている。政府の経済財政諮問会議で、法人税率を下げた諸外国の経済成長や税収がどうなったか、分析するよう指示した。

 日本の税率が相対的に高いのは事実だが、先進国の中で最悪の財政状況を考えれば、首相も語る通り、「経済再生と財政再建の両立」が大前提である。

 財政を立て直すには、歳出削減、増税、経済成長に伴う税収増の三つしかない。このうち税の自然増収に過度に頼れば、景気の変動などで目算が狂った時、ツケは国民に回ってしまう。

 そもそも、250万を超える法人の7割強が赤字で、法人税を納めていない実態がある。親族への支払いをはずみ、わざと赤字にしている例も少なくないとされる。また時代遅れの租税特別措置や、一部のグローバル企業による租税回避など課題は山積みである。

 日本の過去の法人減税への評価はもちろん、海外の事例も幅広く集め、議論を進めることが必要だ。


*チェックポイント
・安倍首相が法人減税に意欲を見せている。
・経済再生と財政再建の両立が不可欠
・財政再建の3つの方法 → 税の自然増収に過度に頼るのは危険
・法人税にまつわる課題
・幅広く議論を進めることが必要

東京都知事選 -- 「脱原発」の道筋語れ

2014 1/23(木)  東京都知事選 -- 「脱原発」の道筋語れ

 告示前日にやっと主な立候補予定者の政策がそろい、東京都知事選の舞台が整った。

 年明けに元首相の細川護煕氏が出馬の意向を表明して以来、原発問題に関する論争が巻き起こった。人口減と超高齢化の時代を迎えるなか、大量消費と膨張から効率と安心への、町づくりの転換が課題となる。その一環としてエネルギー政策を語る意義は大いにある。

 脱原発は東京単独ではできない。きれいごとばかりでもすまない。電気料金への影響や、電気を大量に使う暮らしの見直しなど、都民の負担や理解を得なくては進まない面もある。だからこそ実行可能なビジョンを示し、代替エネルギーの普及に努め、国と東電に電力改革を働きかける。雇用や財政基盤を憂える原発立地自治体の振興にも協力する。知事にはそんな構想と交渉の力がいるはずだ。

 脱原発の旗を掲げたとき、問われるのは具体的な道筋である。原発を認める立場の田母神氏らも含め、実のある論戦を期待する。


*チェックポイント
・都知事選の顔ぶれがそろった
・エネルギー政策を語ることの重要性
・脱原発において知事に求められもの
・今後の実のある議論を期待する

死刑囚の証言 -- 真相求め続ける一助に

2014 1/23(木)  死刑囚の証言 -- 真相求め続ける一助に

 オウム真理教事件の裁判員裁判で、元教団幹部の中川智正死刑囚が証言した。17年近く逃亡していた平田信被告の共犯者として法廷で尋問された。

 死刑の執行を待つ人間が、自分の事件を公の場で語ることはほとんどない。過去に死刑囚が証言した4例のうち、法廷では1例だけ。残る3例は、拘置所に裁判官らが出向いていた。

 今回も検察側は、移送中の警部や本人の心情への影響を案じて出張尋問を求めた。だが、東京地裁は特別扱いの必要はないとして法廷を選んだ。

 その判断は正しかったというべきだろう。裁判員と遺族らが、犯罪に手を染めた当事者の選ぶ言葉をじかに聞き、その表情と語りぶりを見届けることができた。それは裁判記録だけでは語り継げない生身の情報である。

 法廷証言は重いものだが、これほどの事件であればなおさら意味が大きい。性犯罪などで証言の負担が明らかなケースでない限り、法廷の公開の原則は尊重されるべきだ。


*チェックポイント
・中川死刑囚の法廷における証言
・死刑囚による証言が希であること
・法廷で証言を聞くことの重み:裁判記録以上の生身の情報
・(まとめのため、主張を拡張して)裁判の公開の原則の尊重を。

タクシー規制 -- 構造改革が欠かせない

2014 1/20(月)  タクシー規制 -- 構造改革が欠かせない

 今月27日、タクシー適正化・活性化特別措置法の改正法が施行される。タクシーが過剰な地域では新規参入や増車を禁じ、運賃も限度を超える安価を認めない、という規制強化である。
 タクシー業界では、小泉内閣時代の02年に需給調整が廃止され、車両や運転手が増えた。政府は規制緩和で雇用増大を強調したが、乗客数の減少に歯止めがかからず、縮むパイを奪い合う状況に陥った。
 政府は09年に規制強化へかじを切った。だが、それでは不十分で、タクシーの労使がそろって対策の強化を求めていた。
 さらなる規制強化で供給を絞るだけでは、抜本的な対策にはならない。取り組むべき課題は言い尽くされている。まずは、利用者への情報提供を強化することだ。あわせて、会社や運転手への評価制度を整え、積極的に公表してはどうか。運転手の待遇改善では、歩合制に偏った給与体系の見直しが避けられない。
 ジリ貧から脱するには、構造改革が不可欠である。


*チェックポイント
・タクシー適正化・活性化特別措置法の改正法の施行
・これまでの経緯
 → ・02年の規制緩和
   ・09年の規制強化
・著者の主張:供給を絞るだけでは不十分。構造改革が不可欠

名護市長選 -- 辺野古移設は再考せよ

2014 1/20(月)  名護市長選 -- 辺野古移設は再考せよ

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とされる名護市の市長に、受け入れを拒否している稲嶺進氏が再選された。
 昨年末、沖縄県の仲井真弘多知事は名護市辺野古沖の埋め立てを承認し、日米両政府の合意から18年間進まなかった移設計画は一つのハードルを超えた。
 移設推進派の末松文信氏側には、連日、大臣や知事、自民党国会議員が応援に入り、国や県とのパイプを強調。基地受け入れの見返りに国から交付される米軍再編交付金などを使った地域振興策を訴え続けた。
 しかし、振興策と基地問題を結びつけて賛否を迫るやり方には、名護市だけでなく、沖縄県内全体から強い反発があり、選挙結果はそれを如実に物語る。
 この選挙をへてなお、政府は辺野古移設を計画どおりに推進する方針だ。だが、政府が立法措置や強硬策を用いて着工することなど、あってはならない。政府は県外移設も含め、もう一度真剣に検討し直すべきである。


*チェックポイント
・名護市市長選で、移設反対の稲嶺氏が再選された。
・これまでの移設に関する経緯
 → 昨年末の沖縄県知事による承認
・推進派側の意向:基地問題を振興策で塗りつぶす計画
・地元の民意=反対:選挙結果に現れている
・政府はなおも移設する予定
・著者の主張:強行策はあってはならず、もう一度再考せよ。


一人っ子政策 -- 中国国民に選ぶ権利を

2014 1/16(木)  一人っ子政策 -- 中国国民に選ぶ権利を

 中国で一人っ子政策がわずかに緩められる。習近平(シーチンピン)政権が「両親のいずれかが一人っ子なら、2人目の出産を許す」と決めた。

 建国の父、毛沢東は人口を国力の基とする考えから産児制限を否定した。だがその後、食料不足の心配から、1979年に制限が始まった。これまで中絶や避妊手術の強制例は多く伝えられる。そこには高額罰金を地方政府が財源として頼るいびつな構図があるだけでなく、資産家は金次第で子を増やせるという矛盾もある。

 緩和に向けて政権の背を押したのは、高齢社会への危機感である。働ける人口が減り続ければ、将来への不安が高まる。だが、今後も管理体制は保存されるだろう。2人目が許されるといってもまず申請が必要で、自由に産めるわけではないのだ。

 中国は今や経済大国でもある。前時代的な強制をやめて、基本的人権として国民の選択を尊ぶ方向へかじを切る時だ。


*チェックポイント

・中国での一人っ子政策の緩和
・これまでの歴史
・政権の背を押したもの — 高齢社会への危機感
・著者の主張 — 前時代的な強制はやめて、基本的人権として産む権利を認めよ

秘密諮問会議 -- 欠陥法の追認はするな

2014 1/16(木)  秘密諮問会議 -- 欠陥法の追認はするな

 昨年12月、多くの反対を押し切って安倍政権が成立させた特定秘密保護法。政府による情報操作への強い批判から、安倍政権は情報保全諮問会議や保全監視委員会など新たな機関を設けた。秘密の指定や解除、秘密を扱う公務員らの適性評価の統一基準について議論する「情報保全諮問会議」が、17日に初会合を開く。

 諮問会議は7人の有識者からなる。検討するのは基準であって、個別の秘密指定の是非ではない。その点で限界はあるが、官僚らによる保全監視委と違い、政府に直接意見を言えるただひとつの外部機関だ。

 以前、政府による膨大な情報操作により民主主義が蝕まれていくであろうという危惧を社説上で述べた。この法案が欠陥法であるという主張は、今も変わらない。その法の欠陥を議論によって根本的に改めることは難しい。それでも、秘密が限りなく広がることに一定のブレーキをかけることは重要である。メンバーにはその役目を自覚してもらいたい。


*チェックポイント

・情報保全諮問会議が初会合を開く。
 → 諮問会議が何のためにできたのかを述べる必要有り
    ・昨年の特定秘密保護法案の成立
    ・安倍政権が反対意見を抑制するために設けた機関

・諮問会議の構成、議論する内容

・諮問会議のメンバーへ一言
 → 特定秘密保護法案が欠陥法であるという強い主張を混ぜておくと、その
   一言への重みが増し、著者の主張を盛り込むことができる。




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