今日の朝日新聞社説-要約-

朝日新聞社説の要約です。忙しいあなたなら3分で読める今日の社説。受験生のあなたには要約のススメ。

探査機出発

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2010/5/23 朝日新聞   社説  探査機出発
   

 日本初の金星探査機「あかつき」が金星に向けて旅立った。
 金星は、地球とほぼ同じ大きさ、重さで双子の惑星といわれる。しかし、表面温度は460度。双子の運命を分けたものは何か。金星を知ることは、地球をよりよく知ることにもつながる。
 あかつきの使命は、金星を覆う硫酸の雲や風の動きなど、金星大気を立体的に明らかにすることである。とりわけ大事なのが、スーパーローテーションと呼ばれる秒速100メートルもの暴風を詳しく調べることだ。目下、金星最大の謎とされる風だ。
 金星へは1960〜80年代、米ソが次々に探査機を飛ばした。だが89年の米国探査機を最後に、探査の重点は火星に移り、忘れられた惑星になっていた。
 あかつき計画は01年にスタート。その後、地球温暖化への関心の高まりで、注目の探査計画になった。あかつきには、金星の大気を調べる探査機として大いに科学的な成果を上げ、世界にも貢献してもらいたい。

「有名人」擁立

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2010/5/23 朝日新聞   社説  「有名人」擁立


 参院選の立候補予定者として、民主党が五輪メダリスト3氏を擁すれば、自民党も元プロ野球選手や俳優で対抗する。政党の不人気を「有名人」人気で覆い隠そうという企みが透けて見える。
 職業にかかわらず政治への道が開けているのは当然だ。だがこれが歴史的な政権交代を経た新しい政治の姿なのだろうか。
 今、最も必要とされるのは、射程の長い成長戦略を構想し、日本の停滞について終止符を打つことのできる人材だ。候補者を選ぶ基準と過程を透明にし、信頼回復を図って政党の足腰を鍛え直すしかあるまい。
 また、参院の選挙制度も見直す時ではないか。政党名か候補名のいずれかを書く非拘束名簿式が2001年から比例区に導入されたが、これが個人ではなく政党を選ぶという比例区本来の性格をゆがめ、知名度頼みに拍車をかけている。
 有権者は「有名人」候補に熱狂するより、むしろ冷やかな視線を投げかけている。政党の的外れ。その罪は重い。

空き家活用

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2010/5/9 朝日新聞    社説  空き家活用


 全国で空き家が増えている。地域の活性化や福祉のためにもっと活用する道があるのではないか。
 政府や自治体は空き家を宿泊施設や文化活動の場として再利用する場合の費用を補助している。地域の実情に応じて工夫を凝らしているケースもある。
 人口減に歯止めをかけたい山間の里、岡山県西粟倉村。消費地に売り込むアイデアやセンスを村が期待するのは、都市などからの移住者だ。村は、家を残して都市部に住む人々に連絡を取り改修費を350万円まで村が負担するとの条件で貸し出しを呼びかけた。家賃は月2万円。2年余で22世帯38人が移住した。
 宮崎県では、介護問題の解決に空き家を使う試みが進んでいる。空き家だった30坪ほどの民家をNPOが借り、家具や食器はできるだけそのままで、家庭的で穏やかな生活の場を提供している。
 このように、政府と自治体、NPOや企業などが知恵をより合わせることで、多様な再生の形が見えてくるはずだ。

北朝鮮問題

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2010/5/9 朝日新聞    社説  北朝鮮問題


 北朝鮮をめぐる状況がますます流動化の様相を見せている。
 焦点の一つが韓国軍の哨戒艦沈没事件だ。北朝鮮が関与したとの疑惑が韓国内で強まるなか、調査団が原因を探っている。北朝鮮内では、経済の危機的な状態にデノミネーションが拍車をかけた。食糧不足も深刻だ。
 そうした中、金総書記が中国を訪れた。中国は今なお北朝鮮にとっては唯一の頼れる友好国だ。今回は4年ぶりの訪中だった。ところが、当時とは環境も大きく変わっている。
 その間、北朝鮮は2回の核実験を強行し、ミサイル発射実験も続けた。北朝鮮は核開発を正当化しているが、全くの筋違いであることは言うまでもない。
 国際社会は、非核化と地域の安定のために知恵を絞って粘り強く当たっていく必要があるが、各国は北朝鮮の変化をつかみかねている。だからこそ、中国はとりわけ重い役割を担わねばならない。自らの責任を自覚し、北朝鮮への説得を強めてもらいたい。

ワクチン接種

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2010/4/18 朝日新聞    社説  ワクチン接種


 病気になれば治療が必要だ。だが予防できれば体への負担も費用も軽減される。21世紀の医療の目標に「治療から予防へ」が掲げられるゆえんだ。ところが、日本では現在、残念ながらその恩恵を十分に受けられる態勢が整っていない。
 効果の認められるワクチンは、国の施策として接種を進める態勢を作るべきだと、専門家は指摘している。その態勢がないことが、日本のワクチン生産能力の弱さも招いている。国産の新型インフルエンザワクチンの不足による混乱は記憶に新しい。
 ワクチンは、弱めた病原体を体内に入れて免疫をつける仕組みだ。そのためまれに予期せぬ副反応が起きる。国民にこうしたワクチン接種の意味とリスクをきちんと伝えることと、副反応が起きた時の救済の仕組みを整えておくことは欠かせない。
 「命を守りたい」という鳩山政権にはぜひ、ワクチン費用を公費で助成する仕組みを作り、守れる命を守る態勢を整えてもらいたい。

平和構築

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2010/4/18 朝日新聞    社説  平和構築


 戦いが終われば平和がやってくる。そんな当たり前に思えることが、実は当たり前ではない。そこで紛争の再発防止と復興の支援を国際社会が共同して行うのが、平和構築という仕事だ。
 岡田克也外相がニューヨークの国連安全保障理事会で、途上国での平和構築をテーマとする公開討論の司会を務めた。前例を破って行動した岡田氏の姿勢を評価したい。また日本は、国連平和維持活動(PKO)予算の13%を分担し、米国に次ぐ拠出国である。平和構築は日本外交の一つの看板になり得よう。
 だが、和平交渉における実践例をみると、その例はまだ少ない。平和構築を日本の得意技にするには、まず現場で活躍できる人材育成が欠かせない。問題は育てた人材をどう活用するかである。それは日本の外交方針と一体として考えられなければならない。
 政府はPKOへの派遣にもっと力を入れるとともに、各地での紛争状況を把握し、当事者間の対話や調停にも取り組むべきである。

キルギス政変

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2010/4/11 朝日新聞    社説  キルギス政変


 戦略的に重要であれば、その国のはらむ大きな問題に目をつぶって援助をしてよいか。キルギスの政変は、こんな問いを国際社会に投げかけている。
 キルギスを含む中央アジアは、長くソ連共産党の独裁のもとにあって民主主義の伝統が乏しく、強権的な傾向が強かった。そうした国々が独立した当初、国際社会は国づくりを支援するにあたって民主主義や人権の尊重を強く働きかけた。しかし2001年に米国同時多発テロ後、アフガンでの対テロ作戦に隣接する中央アジア諸国の協力を得るため、民主化の圧力は弱まった。
 とりわけキルギスは中央アジアで唯一の米軍基地があり、米国が多額の経済援助をつぎ込んできた。ロシアも米国の進出を牽制するために財政援助をし、結果的にキルギスの政権の腐敗や強権を延命させる形となった。
 中央アジア諸国への国際社会からの支援は必要だが、短期的な視点に傾きすぎず、民主化や経済の安定に役立つものへ見直すべきである。

「たちあがれ」

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2010/4/11 朝日新聞    社説  「たちあがれ」


 平沼赳夫元経済産業相、与謝野馨元財務相ら衆参の5人の国会議員が、新党「たちあがれ日本」を結成した。
 だが、有権者の目には自民党の補完勢力としか映らず、昨年の総選挙で自民党政治にノーをつきつけた民意を吸収するのは容易ではなかろう。
 朝日新聞が今年行った政治意識の世論調査では、政界再編を望む意見が62%を占めた。政権交代を経てもなお再編への待望論が根強いのは、民主、自民両党とも理念や政策面をすっきりと整理できていないことがある。
 与謝野氏らは、際院での与党過半数割れを民主、自民双方を巻き込んだ再編につなげたい考えもあるようだ。だが、小選挙区制を軸とした現行の選挙制度では、政治勢力はおのずと2つの大きな固まりに集約されていく。
 民主、自民両党の責任は重い。古い政治に見切りをつけ、政権交代のある政治を選び取った有権者をどこまでがっかりさせるのか。「たちあがれ」の言葉は、両党にこそ贈りたい。

学校図書館

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2009/11/3 朝日新聞     社説  学校図書館


 子供たちにとって一番身近にある豊かな知の世界。それは学校の図書館である。だが、見過ごせない格差が地域や学校によって広がっている。
 まず本の量が不足している。政府は標準の冊数を満たすための支援措置もしてきたが、財政難のなか、本を買わずに別の使い道に充てている自治体も多いのだ。
 図書館の質を支える仕組みにも課題は多い。図書館の活用には「学校司書」という職員が欠かせないが、学校司書のいる公立小中学校は4割に満たない。
 現代社会を生き抜くのに不可欠な、正確で役立つ情報を自分で選びとる能力を養う場所として、学校図書館の重要性は増している。問題を抱えた子供が教室を離れて心を落ち着かせ、自分と向き合う場にもなるが、それには司書が必要だ。
 保護者の経済格差が広がる今、政府と自治体は必要な本と専門家の配置を急いで進める責任がある。学校図書館はどんな子供にとっても平等に公平に開かれていなくてはいけない。

ポスト京都

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2009/11/3 朝日新聞     社説  ポスト京都


 京都議定書に続く地球温暖化防止の国際枠組みを、デンマークで開く国際気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で合意する。それを目標に進んできた交渉の雲行きが怪しくなった。
 最大の障害は、先進国と新興国・途上国の根深い対立である。また、議会との衝突からオバマ大統領が現時点で指導力を発揮するのが難しいことも足かせとなっている。
 こうした現状では、COP15までに新議定書をまとめあげることは時間的に難しい。そこで、可能な限り政治的に合意しておくほうが得策だという現実論が浮上してきたのだ。
 だが、COP15の重要性は変わらない。新議定書の内容について、出来るだけ踏み込んだ政治的な基本合意を作っておけるかが今後の交渉を左右する。今後のあらゆる首脳会談を機会ととらえ、踏み込んだ政治合意への外交努力を重ねてもらいたい。最終的には各国首脳がデンマークに集まり、新議定書の採択に向けた強い決意を示すべきである。