今日の朝日新聞社説-要約-

朝日新聞社説の要約です。忙しいあなたなら3分で読める今日の社説。受験生のあなたには要約のススメ。

「派遣村」後

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2009/7/4 朝日新聞     社説 「派遣村」後


 年末年始、東京・日比谷公園にできた「年越し派遣村」は、仕事も住まいも失った人たちの駆け込み寺になった。年越しから半年。その後も失業者支援をしてきた派遣村は、先月末で看板を下ろした。
 政府は景気底打ちを宣言し、経済指標も一部に回復の兆しがみえる。だが5月の有効求人倍率は過去最低。完全失業率は4カ月連続で悪化している。
 政府は、職業訓練中に生活費を支援したり、失業者に住宅手当を支給したりする制度を作ったが、多くはまだ始動していない。何より、不安定な働き方を生む構造には何も手が付けられていない。労働派遣法の改正も、ようやく与野党の方針が出そろったとこだ。
 雇用の流動化を進めるなら、一気に正社員と派遣社員の均等待遇が無理でも、非正社員の労働条件の底上げが不可欠だ。非正社員の経験等を賃金に反映する仕組み、能力向上の機会を保障する手立てなど検討すべき論点は多い。派遣法改正の議論を、その端緒にしたい。

核の番人

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2009/7/4 朝日新聞     社説  核の番人


 原子力をこっそり軍事目的に悪用している国はないか。それを査察で確かめる役割を担うのが、国際原子力機関()だ。「核の番人」の異名をもつこの組織のトップを、12月から日本の外交官が務めることになった。天野之弥氏である。
 ただ、忘れてはならないのは、IAEA事務局長は時に政治的な判断、行動を求められる厳しい職であることだ。核保有国の意向とぶつからねばならない時もある。
 オバマ大統領は4月のプラハ演説で、テロ集団などに狙われる恐れのある核物質を安全に管理するため、国際的な管理体制づくりを提唱した。拡散防止に対し、IAEAがどのように専門知識や人材を生かしていくか。今後の課題だ。
 途上国の中には「日本が米国に近すぎる」との懸念もある。米国が途上国に新たな注文をつける公算が大きいとみているのだろう。こうした懸念に配慮しつつ、オバマ大統領と協調していかねばならない。米国との人脈も厚い天野氏の手腕に期待したい。

橋本知事判決

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2009/7/3 朝日新聞     社説  橋本知事判決


 橋本徹・大阪府知事の弁護士時代の発言が、再び司法の場で厳しく批判された。
 山口県の母子殺人事件をめぐり、橋本氏は07年春、被告の弁護団体を批判し、「弁護団体を許せないと思うんだったら懲戒請求をかけてもらいたい」と呼びかけた。
 その発言をきっかけに大量の懲戒請求を受けた弁護団が損害賠償を求めた。広島高裁は「橋本氏は情報不足であるにもかかわらず、弁護団体を一方的に指弾し、テレビという媒体を用いて、虚偽の事実をないまぜにして視聴者に弁護団体の非難に加わることを求めた」と不法行為を認めた。
 懲戒の理由がないのに、その請求をしてはいけないのは当然のことだ。橋本氏は判決後、「重く受け止めます」とする一方で、「言論活動がどこまで認められるのか判断を求めたい」と上告する意向を示した。上告するのは自由だが、知事としての力量を発揮する橋本氏だからこそ、この問題を引きずらずに弁護団体に謝罪してはどうだろうか。

イラク米軍撤退

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2009/7/3 朝日新聞     社説  イラク米軍撤退


 イラクの都市部に駐留していた米軍が郊外への部隊移動を完了した。
 イラク開戦から6年。都市部に限られるとはいえ、イラク人が自ら自治維持に責任を負う。新生イラクが独り立ちするための試金石だ。
 だが、撤退を前に首都バグダッド周辺や北部で、大規模な爆弾テロが続いている。国際テロ組織アルカイダ系の武装集団などの反米勢力が、治安への揺さぶりをかけていると見られる。
 戦争やテロで10万人以上の市民が犠牲になった深い傷跡をいやすのは簡単ではない。これを無事に乗り切り、現在13万人以上いる米軍がすべて撤退することで、ようやくイラクが自立できる。何としてもこのプロセスを成功させねばならない。
 それに欠かせないのは治安の安定だ。マリキ政権には治安部隊の一本化を急ぐとともに、国民和解に力を入れてもらいたい。
 それと同時に、周辺諸国の関与が重要だ。動き始めた米軍撤退と連動して、国際的な連携を築き直さなければならない。

鳩山氏虚偽献金

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2009/7/2 朝日新聞       社説  鳩山氏虚偽献金


 民主党の鳩山代表が虚偽献金の事実を認め、陳謝した。20数年勤めてきた秘書が独断で行い、鳩山氏自身は知らなかったと述べた。とはいえ、報告書への虚偽記載は明白であり、鳩山氏の責任は重い。
 小沢前代表の秘書逮捕事件の反省から、民主党は3年後に企業献金を全廃し、個人献金を拡充する政策を総選挙マニフェストの柱の一つに掲げる方針だ。だが、その旗を振る立場の代表自身の個人献金がこの体らくでは説得力を欠く。
 それにしても、政治資金をめぐる政治家のスキャンダルが止まらないのはあきれるばかりだ。共産党を除く各党にあわせて年間約300億円の助成金が交付されているというのに、このけじめのなさは何なのか。
 話は民主党だけにとどまらない。迂回献金を受けたとされる与謝野財務相や、西松建設から献金を受けていた二階経済産業相ら自民党の議員たちは、まともな説明すらしていない。野党批判もいいが、まず自らの襟を正すべきである。

閣僚人事

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2009/7/2 朝日新聞       社説  閣僚人事


 麻生首相は昨日、経済財政担当相に林芳正氏、国家公安委員長と沖縄・北方担当・防災相に林幹雄氏をあてる内閣の補充人事を決めた。
 衆院議員の任期満了まで残り70日余。劣勢といわれる総選挙に向け、何とか政権の勢いを取り戻そうとの思惑があったのだろう。
 だが、首相を支えてきた派閥の実力者や党幹部の理解を得られず、役員人事は見送らざるを得なくなった。「私の口から『党役員人事をやる』という話は、ただの一度も一言も聞いた人はいないと思います」。首相は昨日、記者団にこう語り、方針転換はなかったかのように装ったが、大きな誤算だったのは間違いない。
 衆院解散・総選挙に向けて、首相のいばら道はなお続く。首相の苦境は、長期政権を続けた末の自民党が直面している統治能力の低下を象徴するものでもある。総選挙で国民に信を問うことを避け続けては、とても党の再生はおぼつかない。その現実に早く向き合うことである。

水俣病法案

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2009/7/1 朝日新聞   社説  水俣病法案


 水俣病の未認定患者を救済する特別措置法案をめぐる与党と民主党との修正協議が最終局面を迎えている。だが、このままでは、真の恒久救済には遠いと言わざるを得ない。
 そもそも、水俣病の救済がこじれているのは、汚染された不知火海一帯の被害調査が一切なされなかったことが大きな原因だ。被害地域の実態把握をすることなく、この問題に終止符を打つことは許されない。
 どうにも解せないのが、特措法案の中で、与党も民主党も、政府と司法に2つある認定基準の問題に踏み込まなかったことだ。旧環境庁が作った基準に対し、最高裁は04年にこの基準を事実上、否定した。だが、救済の枠組み全体が崩れるのを恐れてか、いまだに環境省は基準を変えようとしない。
 これは「水俣病とは何か」という問題だ。救済法案を論じる前に二重基準問題を解消することこそ、政治が決断すべきではなかったか。早期救済を目指すのは当然だが、安易な歩み寄りは禁物である。

解散・総選挙

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2009/7/1 朝日新聞   社説  解散・総選挙


 衆院の解散・総選挙に向けて、麻生首相がようやく重い腰を上げようとしている。
 明日までに自民党の役員人事と閣僚の補充人事を行い、12日の東京都議選直後の衆院解散。8月2日か9日の投開票を目指す。これが首相の思い描くスケジュールらしい。
 何度か解散を考えながら、結局踏み切れずにいた麻生首相のことだ。今回も思惑通りに運べるか定かではないのだが、自民党内はてんやわんやである。東京都議選の結果によっては「麻生おろし」の動きが雪崩を打つ可能性も出てきた。
 もちろん、総裁選の前倒しは党則で認められている。だが、人気がないからと、総選挙間際になって党のカオを変えようというのはあまりにもご都合主義だろう。
 麻生政権が迷走と停滞を重ねてきたのは事実だが、同時に、世界同時不況の中で全力を注いできた緊急経済対策という実績もある。それを掲げて有権者の審判を受けるべきである。首相には堂々と国民に信を問うてもらいたい。

JAL支援

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2009/6/30 朝日新聞     社説  JAL支援


 日本航空に対し、政府が本格的な支援に踏み切った。世界同時不況や新型インフルで打撃を受けた経営を救うため、日本政策投資銀行と民間銀行が計1千億円の融資をする。
 だが、今後も多額の社債の償還などの予定が目白押しで、資金繰りは容易ではない。このため、国土交通省が日航の指導・監督に乗り出すことになった。
 民営化して22年。米同時多発テロや新型肺炎(SARS)、イラク戦争などの逆風を受けるたびに政投銀の融資で急場をしのいできた。赤字垂れ流しの経営体質が克服できていないことが最大の問題である。
 その責任は、異常に高い空港着陸料を元手に、不採算のローカル路線を増やしてきた国交省にもある。それを思えば、国交省に指導、監督を全面的に任せておくわけにはいかない。政治家の圧力や行政のしがらみを排除すべく、外部の専門家による特別チームを作るべきだ。客観的で厳しい視点から、日航再生のあるべき具体像を突き詰める必要がある。

日米密約

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2009/6/30 朝日新聞     社説  日米密約


 日米間に核兵器の持ち込みに関する密約など存在しない。そう言い続ける日本政府の「うそ」を突き崩す新証言が語られた。1987年から89年までの外務省の事務次官を務めた村田良平氏がこの密約の存在を認め、文章の形で引き継いできたことを認めたのだ。
 外交交渉の中には、すべてを国民に明らかにできないこともあろう。特に冷戦まっただ中の60年代、米国に安全保障を依存した日本にとって、米国の戦争に巻き込まれることへの懸念を抱く国内世論と、米国の要請を両立させるのは並大抵のことではなかったに違いない。
 だが、冷戦はとうに終わり、米国の核戦略や日米同盟の役割も様変わりしつつある。さらに、一方の当事者である米国が事実を公開している。政府は密約を認め、国家的なうそをつき続けたことへの批判に向き合うべきだ。
 外交政策について、たとえ事後でも公開し説明を尽くす。これこそ民主主義を成り立たせるための政府の重い責任のはずだ。
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